【2020年シーズン総括】彼らは守り勝ったのか、攻め勝ったのか。
9年ぶりに上位を争い、3位となってAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得。今季の名古屋グランパスはここ数年の低迷が嘘のように勝点を積み重ね、勝利の歓喜を何度もスタジアムに響かせた。彼らが今季得た二つ名は“堅守の名古屋”である。リーグ最少の28失点、17試合もの無失点試合を戦えばそうも呼ばれて当然だが、では本当に彼らは守ることでこの結果を手にしたのか。守るだけでは決してなかった、名古屋というチームは攻めていた、そう捉えることもできるのではないだろうか。
攻撃的か、守備的か。サッカーを語る上では永遠のテーマにも思えるこの二元論は、現代サッカーにおいてはかなり怪しげなものにもなってきている。もちろん、そういったくくりにぴたりとはまるチームはある。名古屋に次いで2番目に失点の少なかった川崎は当然のごとく守備が強いチームとは見られない。それよりも1試合平均2.6得点という爆発的な攻撃力の方が目立ち、“攻め続けているから失点が少ない”とまで言われてしまう。逆にリーグで3番目に失点の少ないC大阪は守る時にしっかり自陣で守る傾向が強いため、守備的といわれがちだ。どちらも攻守ともにバランスが良いチームなのだが、“見た目”でカテゴライズされてしまっているような気がする。そして名古屋はといえば、前述の通り、何やら守備に全振りのチームのような見方をされることが多い。
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