【赤鯱新報的2020年MVPインタビュー】稲垣祥「自分たちの強みや拠り所を見失わず、さらなる発展を」第1回
2年連続の残留争いから、アジアへの挑戦権を得る3位へとジャンプアップした2020年。躍進の原動力の一人として際立ったパフォーマンスを見せたのが、移籍1年目の稲垣祥だった。ある時は堅守を支える中盤守備の要として、ある時には攻撃に厚みを加える援軍として。背番号15がマッシモ名古屋の中で担ってきた仕事は多岐にわたり、かつ高い効果を挙げてきた。そこで赤鯱新報的には彼をシーズンMVPと認定。過酷で特別な1年を振り返り、稲垣という選手の思考にも迫ろうとインタビューを行なった。知性と理論が入り混じる独特のサッカー観と、その眼を通した2020年の名古屋の見え方、捉え方。そこにはチームが進むべき次のステップが、示されているようでもあった。
第1回:「引いた僕たちから点を取れるチームなんてあるのか」
Q:例年にない働き方をしたシーズンが終わって、まずは身体の状態はどうでしたか。
「今はもうリフレッシュして、全然サッカーのことは忘れてますよ(笑)」
Q:疲れ方が重いとか、いつもより余計に痛い部分とかもなく?
「全然ですね。痛みも変な疲れもないです」
Q:それにしてもいつもとは全然違うシーズンでした。
「そうですね、いつもにない連戦がありましたし、自分も試行錯誤しながらの1年でした」
Q:コンディションは維持する感じだったのか、やはり上がり下がりはあったのか、いかがでしたか。
「いや、基本的には全試合を100%のコンディションでやりきることは難しかったので、自分の中でどの程度できるのかというのを模索しながらやっていましたし、基本的にシーズン中はコンディションをより良くする、リカバリーを早くするというところに一番注力して今年はやっていましたね」
Q:移籍するとトレーニングも変わるわけですが、そこへの順応や自分との相性は?
「そこはやっぱり簡単ではなかったです。チームによって練習のやり方もけっこう違って、もちろんフィジカルコーチが違うので考え方も違ったりして。そこの順応というのじゃ、僕が最初に甲府から広島に行った時にも苦しんだ部分があるんですが、こっち来てからも簡単ではなかったです。でも色々と柔軟に受け入れてやっていこうと思っていました」
Q:トレーニングの質として、すごく動き続けることが多いというか、フィジカル的なメニューが多いように感じましたが。
「感じ方は人それぞれかもしれないですけど、僕としては今年はアクティブにレストすることもちょっと減らした感覚です。よりしっかり休むこと、精神的な疲れも取るために、そっちの方を重視しました」
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