赤鯱新報

【トピックス】現役引退を発表した増川隆洋が会見を開催。オンライン取材にはまさかのサプライズゲストも…。

本日2月18日、前日17日に最終所属の京都から現役引退のリリースを発表した増川隆洋が引退会見をオンラインで行ない、17年間のプロサッカー選手としてのキャリアにピリオドを打った。増川は大商大から2003年に福岡でプロになり、2005年に名古屋へと移籍。元々は前線もDFラインもこなすユーティリティーだったが、この移籍を機にセンターバックとしての本格的なスタートをきった。191cmの長身と日本人離れした体格を武器に、2010年には楢﨑正剛、田中マルクス闘莉王らと鉄壁の守備陣を形成。リーグ優勝の立役者としてベストイレブンにも選出され、一躍リーグトップクラスのDFの仲間入りを果たしている。

14年からは移籍を繰り返し、神戸、札幌、京都と渡り歩いていたが、2019年限りで京都を契約満了になってからは福祉事業の会社を立ち上げつつ所属先を探していた。そして昨季を無所属で過ごし、今回の決断に至ったという。会見の席での増川は以前と何ら変わらぬ姿で、あの豪快な笑顔も実に懐かしかった。今後は福岡での福祉事業を続けつつ、スクールの立ち上げなどサッカーへのかかわりを増やしていきたいとのこと。クレバーで分析家の顔もあった大型DFがどのような選手を育てていくのか、今は楽しみでならない。

会見にはサプライズゲストとして名古屋の楢﨑正剛クラブスペシャルフェローと、名古屋、京都で苦楽を共にした松浦典紀ホペイロが登場し、場を和ませた。楢﨑CSFの登場に増川は本当に驚いていた様子で、しかしそこから緊張は一気にほぐれて表情も柔和に。誰もが今後の成功、活躍を願ってやまない名選手の引退には、素晴らしい花が添えられた。

今回はその会見の様子を、一部編集を加えつつのノーカットでお届けする。


○増川隆洋選手
「皆さんおはようございます。昨日リリースさせていただいた通り、私、増川隆洋は現役引退を発表させていただきます。はじめに、Jリーグの開幕前の忙しい時期に集まっていただいて、ありがとうございます。そしてこういう機会を与えていただいた京都サンガの関係者の皆さん、ありがとうございます。
2003年にアビスパ福岡でプロのキャリアをスタートさせまして、それから名古屋グランパス、ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌、京都サンガF.C.と17年間を現役でプレーすることができました。この17年間は各チームの皆さんのおかげですごく充実した現役生活を送ることができまして、本当に感謝しています。また、プロになる前に一緒に過ごした仲間たちや指導者の方々にも、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。…以上です。苦手ですね、こういうのは(苦笑)」

Q:まず2019年のシーズンで契約満了になり、現役続行の道を探りながら今回の引退の決断に至った経緯を聞かせてください。
「そうですね、まず2019年シーズンはケガもあって思うように試合に出られなくて、結局契約満了となった時に、実際どうするかということにはすごく悩みましたし、迷いました。はっきりと自分の中に答えを出せない部分もあったんですね。引退しようかなという気持ちもありましたが、最後のシーズンで1試合も出場できていないということもあって、自分としても物足りない部分がありましたし、周りの人からももう少し頑張ってみればという話もありました。家族からも『やってみたら』という話をずっとされていました。それでもしそういうオファーがあったら続けてみようという気持ちになりましたので、それで少し時間をとって現役続行という部分で模索をした部分がありました。しかしうまくいかずに、そういう発表もできないままに今に至ったという感じですね」

Q:コンディションはこの間、ずっと維持していたのでしょうか。
「いえ、コロナ禍になってJリーグが中断されたぐらいで、もうそこまで動かせていなかったです。そういうコロナの影響もありました。難しいなという部分が自分にもメンタル的にあったので、そこで難しいのかな、という気持ちにはなっていましたね」

Q:2019年の後には仲の良かった闘莉王選手、今年になって石櫃選手も引退しました。彼らの引退も影響はありましたか。
「まだ僕よりもできそうな二人でしたから、すごく寂しい部分はありました。それが直接僕に影響したかといえばそこまでなかったですが、自分もそういう時期なのかなという気持ちにはなったかもしれないです」

Q:今後のビジョンはどういったものを描いているのでしょうか。
「今は福岡で会社をやっていまして、それを今は頑張ってやっていこうというところで動いています。それも少しやっていきつつ、いつかは指導者というところも選択肢として持っているので。若い選手を育成するというところもできればいいなとは思っています」

Q:福岡でやられている会社はどのような会社ですか。
「福祉関係の仕事です。子どもたちの養育ということをやっています。今は少しずつ事業所を増やしていって、関われる子どもの数を増やしていきたいなと思っています。それをやりつつ、別でサッカースクールなどもやれたらいいなと思っています。順調ですかね、頑張っています(笑)」

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