赤鯱新報

【2021シーズン前半戦総括】快進撃と失速のコントラスト(後編)進む相手の対策、だがその上を行こうとする気概はある。

2位のチームに“失速”とは似つかわしくない言葉かもしれない。だが、そう感じてしまうほどの快進撃を、今季の名古屋は見せていたとも言える。10戦無敗、連続無失点時間のリーグ記録を更新した守備力と、高い確率で決勝点を奪える粘り強い攻撃。しかしその記録が途絶えて以降、チームはどこか不安定さを払拭しきれずに次の10試合を闘ってきた。次の10戦は3勝1分5敗。あまりに対照的な20試合は今季の名古屋の長所も短所も色濃くにじむ。優勝争いのメインキャストとして駆け抜けた前半戦。その内実を今一度振り返る。

進む相手の対策、だがその上を行こうとする気概はある。


無失点ベースで勝点を積み上げてきた10試合を経て、初めての負けを喫したのはシーズン11試合目となった10節の鳥栖戦だった。初めて先制され、前半のうちにリードを拡げられる試合展開も初めてで、明らかに名古屋の選手たちは浮足立っていた。用意した戦術も空回りしたところがあり、内容としてはかなり悪い部類の試合をして負けた。生き馬の目を抜くプロフェッショナルの世界は、10戦も絶好調を維持したチームをそのまま走らせることはしない。対応力に優れる名古屋に対応をさせない戦い方が、この時期から目立ってきた。

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