赤鯱新報

【名古屋を見つめる冷静な視点:増川新報】第2回前編:連敗の見え方、そしてキム ミンテと森下龍矢

2005年から2013年までの9年間を名古屋で過ごし、2010年にはチームのリーグ初優勝に大きく貢献。同年のベストイレブンにも選出された名CBである増川隆洋さんが、この度「赤鯱新報」の“論説委員”として月に一度、その冷静な視点から見た名古屋グランパスについて語ってくれることになった。現役時代はその体格を生かしたパワフルな守備だけでなく、クレバーな戦術眼と試合の流れを読み、分析する力でもチームに多くをもたらした頭脳派は、フィッカデンティ監督率いるチームをどう見ているのか。第2回となる8月は、リーグ戦6試合を中心にV字回復を見せたチームの状態、そして試合の要点となったプレーについても解説してもらった。

前編:連敗の見え方、そしてキム ミンテと森下龍矢

Q:リーグ後半戦のスタートは横浜FC、横浜FMとのニッパツ2連戦でした。連敗という珍しい結果であり、内容もあまり良いものではありませんでした。

「横浜FC戦は何かこう、しっかり準備されたものに対してハマった感じだったよね。相手がちゃんと準備して、“こうやって戦いますよ”というものにハマってしまったという印象。しっかり守備もはめられたし、そこからの速攻というところも相手の狙い通りにやられてしまったというところを感じる。相手がディフェンシブに戦って、引き気味だったからボールは持てていたけど、チャンスがあったにせよ決めきれず。負ける時のいつもの流れというか、負ける時はやっぱりそういう試合で、そのまま持っていかれたという感じだったね」

Q:もちろん疲労はあったと思いますが…

「そうだね、休んでいるようで休んでいないような。実際、横浜FMとの試合でもそうだったけど、やっぱり疲れていたよね、ずっと出てる選手は。フレッシュさがなく、ボールを奪いきるというところではがされてしまっていた。特にボランチの二人かな。彼らは相当にしんどいと思うけど、まあ…でもあれだけ試合中にいろんなエリアをカバーして、その後ボールもつながなきゃいけないというタスクを背負っている以上は仕方ないところもあるんだなとは思う」

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