赤鯱新報

【ACL総括・グループステージ】苦行にも似たオフザピッチ。チームはそれでも貪欲さを失わず。 – 未知の相手、そして環境と戦った4ヵ月の冒険

9シーズンぶりのアジア挑戦が終わった。まさかの負け方とも、名古屋の負け方とも言える結果にショックの程は人それぞれ。チーム状態は上向きで、強さに厚みを増して臨んだ韓国ラウンドだっただけに、選手の落胆は我々の倍ではきかないだろう。フィッカデンティ監督はすぐさま次の試合へと切り替えを促したというが、それを思えば思うほど、人は逃した好機に想いを馳せる。日本に戻れば再び2週間の隔離生活が待っており、メンタルコントロールはなおのこと難易度が上がる。あえて書くがこの挫折を糧にできるか否かは、残る10月の重要な戦いを左右する重要なピースになるだろう。

8試合で18得点、7失点。88本のシュートのうち、47本を枠内に飛ばして名古屋は準々決勝までの戦いを走り抜けた。久々に参加したアジアレベルの大会で、名古屋は何を見せ、何を得てきたのか。鉄は熱いうちに打てではないが、一つの大会が終わった今この時に、国内外で繰り広げられた激戦を総括する。

【総括・グループステージ】
苦行にも似たオフザピッチ。チームはそれでも貪欲さを失わず。

1年前から世界を変えてしまった現代の疫病は、アジアを舞台に戦う魅力ある大会を、非常に窮屈なものへと変えてもいた。今年もセントラル開催らしい、という触れ込みだけが独り歩きする中、まず決定したのは東地区の予選グループステージをタイとウズベキスタンで行なうということだった。名古屋にとってはキャンプでも滞在したことがあり、親会社であるトヨタの現地法人もあるタイでの戦いとなったことはせめてもの幸運と言えたが、それ以外の環境はまさに過酷で孤独。チームとしての行動はほぼ練習と試合時のみに制限され、基本的には自室でほとんどの時間を過ごすインドア生活を強いられた。食事はすべて弁当形式で、アスリートに必要な栄養素は考えられているように見えたが、当然のように口に合わない選手もいた。

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