赤鯱新報

【特別インタビュー】竹内彬「次の人生こそ、思い描いたキャリアを」part1

多くのJリーグレジェンドがスパイクを脱いだ2021年、名古屋グランパスに縁のある選手もその中には含まれていた。ひとりは玉田圭司、そしてもう一人が竹内彬だ。2006年、国士舘大学から加入した若武者はプロの波にもまれ、偉大なる先達から多くを学び、その後16年にわたって4チームを渡り歩く素晴らしいキャリアを築き上げた。名古屋には二度、計7年間在籍し、苦い記憶も歓喜の思い出もある。きらびやかなスター選手ではなかったは、気迫と職人肌を感じさせる好選手であったことは誰もが認めるところだろう。プロ生活の終盤は包容力のある分厚いセンターバックとして、頼もしさをチームに感じさせてくれる偉丈夫だった。その味のあるサッカー選手人生に、彼の生きざまは滲み出る。引退後、つまり現在は讃岐の強化担当兼地域連携リーダーとしてのセカンドキャリアが既に始まっており、多忙な中を縫っての引退記念インタビュー。熱意に満ちた竹内のサッカー選手人生が少しでも伝われば、幸いだ。

スタメン組の色のビブスに『マジか』と。

Q:まずは引退お疲れ様でした。現役は16年間、長いキャリアになりましたね。

「そうですけど、もっと長くやっている方もたくさんいるわけですから。楢﨑正剛先輩であったり、今年で言えば玉田圭司さんであるとか。本当に自分とは比べ物にならないぐらいの方々がいます。と言いつつも、16年というと生まれた子どもが高校1年生、中学校を卒業する長さだと思うと、相当に長いなと思います。本当に、ありがたいことですね」

Q:この年齢までキャリアを続けて引退というのは、やはり最後の数年はキャリアの終わり方を意識することができたと思いますが。

「ここ2~3年は常にそういうことを考えながら、もちろんサッカーをプレーすることは大好きだし、楽しかったんですが、それと同時に自分が次にやりたいことというのがどんどん日増しに強くなっていって。それはJクラブの強化担当でした。そこでやっていきたかった。それは名古屋の時代にお世話になった久米(一正)さんだとか、竹林(京介=現札幌強化部長)さんだとか、他にも多くのスカウト、強化の方々。もう、数えだしたらキリがないほどにお世話になった人たちはいて。そういう人たちの影響を受けて、自分も現役引退後はこの仕事をやりたいなって思っていたんですよ。そのタイミングを探りながら、ここ数年はやっていたところもありました」

Q:指導者ではなく、強化担当だったんですね。

「そうですね、指導者というよりは、今は強化担当がやりたいという部分が強いですね。ものすごく明確な理由があるかというと、表現するのは難しいんですが」

Q:強化担当という仕事の魅力はどう感じているのでしょうか。

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