赤鯱新報

【赤鯱探訪】阿部翔平編③ 「サッカーの見識を広めるため、社会人へ」

SHIBUYA CITY FC 選手兼任監督
阿部翔平
(2006~2013 名古屋グランパス所属)

名古屋グランパスの“阿部ちゃん”と言えば、今は浩之でもやっぱり“翔平”でしょ、という方も多いのでは。小柄ながらパワフルなサイドチェンジに対人守備の強靭さ、飄々として愛される独特のキャラクターで、間違いなく名古屋のクラブ史に名を残す名選手の一人である。言わずと知れた2010年優勝メンバーは2013年に名古屋を後にし、その後は甲府や千葉でのキャリアを経て、2019年から社会人リーグにその活躍の場を移している。元日本代表の技術、スキル、戦術眼は衰え知らずで、39歳となる2022年はついに選手兼任監督として新たな一歩を踏み出すことになった。興味深いそのキャリアメイクに隠された彼の本質、サッカーを楽しむ心意気を、今回のインタビューからは感じてもらえると幸いだ。

赤鯱探訪・阿部翔平編③
「サッカーの見識を広めるため、社会人へ」

Q:そしてJリーグを離れてからの今の話です。サッカーの見識を深めたいという思いもあって当時のTOKYO CITY FCに加入します。その決断や実際に入って見たものはどうでしたか。

「どんなものかと言えば、レベルはもちろん低いです。一番に感じたのは、全体的に戦術がちゃんと浸透していないということに、驚いたとまでは言いませんけど、これだけ浸透していないんだなと思いましたよね。選手たちの出身高校とかも、そんな無名の高校ではなく、けっこう名の知れている高校だったりするんですけど。カバーの仕方とか、ボールの受け方とか、わかってないなというのがあったりして。そこからやらなきゃいけないんだな、って思いました。それは対戦相手にしても変わらなかったので、じゃあこれは根本から変えていかないといけないんだなって、本気で、肌で感じました」

Q:想像以上だったわけですか。

「想像以上でしたね。でもJリーグに入ってくる選手とかでも、あまりわかってないなというのはあったので、それ以上にわかってないとなると日本のサッカーは大丈夫なのかな、って思ったりとか(笑)」

Q:チームに誘われた時に決め手となったのはどんなことだったのですか。

「僕が入る年にクラブが法人となって、そこからちゃんとやっていくみたいな感じになって。チームを作っていくということもそうですし、その過程を一から見ていけるのもなかなか貴重なことかなと思いました。今の会長が社長の頃にやっていた会社が、映像系というかSNS系のサービスをしていたので、そういうことも勉強したいと思っていたところでは、教えてもらおうという部分もありましたね。そういった部分を加味して決めました」

Q:Jクラブも含めた横並びの選択肢の中から、選んだんですよね?

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