赤鯱新報

【短期集中連載:赤鯱の期待値】part6.豊田晃大

豊田晃大
6.豊田晃大

実のところ、今季のチーム始動からずっと興味を持って見ていた選手だった。昨年11月に行なったインタビューで、サッカー人生初とも言える悩みに悩む姿を目の当たりにしていたからだ。周囲からも天才と呼ばれ、将来を嘱望され、思う通りにサッカーができていた男は、トップチームの練習参加で大きく分厚い壁にぶち当たっていた。“自分が上手くプレーできないなんて経験はなかった”というショックは想像するに余りあるもので、おそらくは数多の才能あるプレーヤーの心をくじいてきたハードルに、豊田晃大はもがいていた。

「このままではピッチに立っている自分の姿を想像できない」とイメージしていたチーム始動日からしばらくのプレーは、まだ悩みの中にあるように見えていた。笑顔もあったが、どこか突き抜けきらない。中京大との練習試合では金崎夢生と前線を組み、ユースの同期や後輩たちとプレーしたが、課題としていたボールを受けた際の判断にセーフティーファーストの割合が多い。吉田温紀や甲田英將は持ち味を前面に押し出し、前向きな選択肢を多く用いたが、豊田のプレーはそういった点では積極性に不足感は否めなかった。

豊田晃大
ところが、まだ悩みは続いているのかと思った週明け、沖縄キャンプが始まると豊田のプレーには変化が起きていた。

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