赤鯱新報

レジェンドマッチ出場選手インタビュー 小川佳純 「チーム最年少として、一番走らないと」【前編】

5月14日のC大阪戦のプレイベントとして行われることが決定した「クラブ30周年レジェンドマッチ」。過去のタイトルを獲得したシーズンに在籍したOBたちを中心に選出されたチームの面々は何とも懐かしくもうれしい顔ぶればかりとなった。「紡いだ歴史と新たな未来」をテーマに愛知県中学校選抜との真剣勝負に臨む一戦を盛り上げるべく、赤鯱新報でも出場選手たちの意気込みを聞いてきた次第。ラストとなる3人目は現在、JFLのFCティアモ枚方で指揮をふるう小川佳純である。よくよく見れば本人の言う通り、今回のチーム最年少である“若手レジェンド”はどんなプレーを見せてくれるのか。現役監督ならではの視点や2010年の思い出なども含め、たっぷりと語ってもらった。

2016年以来の豊田スタジアム、楽しみです。

Q:まずは名古屋がクラブ30周年を迎えるということについての感想は?
「僕が在籍していた頃には20数年という歴史を積み重ねていたのが、30年という形にまで積み上がった。Jリーグ自体もそうですし、世界と比べたらまだまだその歴史は浅いのかもしれませんが、着実に歩みを進めてきているんだな、という印象ですね」

Q:20周年の時にも記念のイベントなどがあったと思いますが、そこから10年が経つわけですね。
「いや、もう時間が経つのは速いなって(笑)。僕らが20周年の時には確か記念ユニフォームをつくって、着てプレーしていたのがもう10年前なんですね。クラブもサッカーも年が経つにつれて変わっていくものですが、Jリーグのチームには消滅してしまったチームもあるわけで、そうやって続いていくということも当たり前ではないと思うんです。こうして歴史が積み上がってきていて、今もJリーグを引っ張っていくチームの一つとして、グランパスが在り続けられるというのも喜ばしいことで。それはそこに携わってくださっている皆さんあってのことです。僕もその中の10年間にかかわっていたことを嬉しく思います」

Q:クラブ史の3分の1にかかわっている選手であることについては、どう感じていますか。
「僕もプロで13年間プレーして、その中の10年間を過ごしたクラブですから。今でも思い出はたくさんありますし、なかなか同じクラブで10年間をプレーするということも、それほど多くの選手ができることではないと思っています。僕にとって特別なクラブであることには間違いないです」

Q:今回、レジェンドマッチのメンバーに選ばれるにあたっては、どんな経緯があったのでしょうか。
「いや、ナラさんから電話が来て(笑)。『5月14日にこういう試合があるんだけど』と。その後に正式にクラブの方から連絡をいただいたんですけど、入口はナラさんでした。何というか、僕もこのクラブから離れて6年、5年くらい経っているんですけど、こうして呼ばれたことに対しては素直に嬉しい気持ちになりました。日程が合えば出ます、という返事はその場でさせてもらいました。こうやってOBとして試合に呼ばれるということは光栄なことですから、うれしかったです」

Q:実は今回、玉田さんと阿部さんにもインタビューをしているのですが、二人も楢﨑さんからのオファーを受けていました。
「それはもう、クラブスペシャルフェローとしての仕事に入っているんじゃないですか?(笑)。ただのアカデミーGKコーチではなく、クラブに残っている、クラブで一番のレジェンドです。ナラさんは今はこういう仕事もしてるんだなって、いま二人の話を聞いて思いましたよ(笑)」

Q:楢﨑さんからのオファーなら、二つ返事ですよね(笑)。
「そうですね。だからみんなも試合に出ることもそうですし、僕もその場ではほかに誰が出るのかを聞いてなかったんですけど、タイトルを獲った時に在籍していた選手から選ぶということだったので。こうして久しぶりに会える人たちもいるなって思って、その楽しみもありますね」

Q:今回のメンバーを見た、率直な感想は?
「…渋っ! って感じですね(笑)」

Q:渋い?(笑)
「渋いですねえ。偉大なる先輩の方たちの名前もありつつ、それよりも僕がおそらくこの中で最年少なんですよ。だから僕は一番“下っ端”として一番走らなきゃいけないなと思って、メンバーを見た時にぞっとしました(笑)」

Q:その点はあまり意識してなかったです…。
「そう、僕が最年少です(笑)。クラブを離れて6年が経ちますが、タイトルを獲ったというと去年のルヴァンカップと僕らのリーグ優勝が最近なので、ただのOBとして集めれば僕よりも年下のメンバーもいたかもしれないんですが。優勝したシーズンは僕も試合には出られていましたが、まだまだ周りの名だたる代表クラスの選手たちからすれば、実力的にも足りないと思っていました。そこで先輩たちに置いていかれないように必死にやっていたところもあって、今回のメンバーを見て改めて、『やっぱオレは一番下っ端なんだな…』って思いましたよ(笑)。このレジェンドマッチでも、僕は先輩たちに置いていかれないように頑張らなきゃいけないんだな、って感じました」

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