赤鯱新報

レジェンドマッチ出場選手インタビュー 小川佳純 「チーム最年少として、一番走らないと」【前編】


Q:身体は動きますか?
「動かないですよ、もちろん(笑)。でも、一緒にプレーする皆さんよりかは動かないとなあ、と。阿部ちゃんとかはまだ現役で、タマさんも引退してまだ半年くらいですから、まだ動くかもしれない。けど、年齢的には一番下なので。試合で『動け』と言われそうなので、すでに心と身体の準備は進めています」

Q:玉田さんは「自分のプレーについてくるのは佳純じゃない?」と言っていました。
「そんなこと言ってましたか。ただね、フルピッチで動ける自信がまったくないので、本当に怖いですね。例えばゴール前だけやればいいんだったら全然良いかもしれないけど、フルピッチで走れと言われたら、ゴール前に行った頃には息上がりすぎて何もできない可能性もありますよ(笑)」

Q:引退するとフルピッチでサッカーをする機会は限られますよね。
「ないですね。でも去年の年末は少しやっていたんですよ。チームの紅白戦に入ったりして。B級のライセンス講習会が年末にあったので、そのために身体を作る必要があって。講習中はプレーをするので、そこでケガでもしたら途中で講習受けられなくなってしまうので。その身体を作るために、フルピッチで15分くらいのプレーをしていました。でもそこから半年くらい空いていますからね。まずはジョギングから先週くらい(4月中旬)から始めているんですけど、不安はまったく拭えないですね」

Q:阿部さんはサイドチェンジを蹴りたいと言っていましたよ(笑)。
「はは(笑)。その前に僕はどのポジションをやるんですかね。右サイドハーフかな…? FWには小倉さんとか森山さんもいますよね」

Q:玉田さんもいますね。
「そうですよね、浅野さんもいますよね。中西さんはどこをやるんだろう。ボランチとか、サイドハーフか。サイドバックもあるのかな」

Q:川崎時代は3バックのイメージありますよね。
「そうですね。たぶん、僕はサイドハーフだと思うので、やっぱり一番走らないといけないよなあ…」

Q:中盤は中村さん、吉村さんに頑張ってもらうとして。
「そうか、吉村&中村に中盤は頑張ってもらうとして、後ろはマスさん、阿部ちゃん、小川誠一さんもいましたか。サイドバックですよね」

Q:飯島さんもサイドバックですね。
「あ、カズさんもいるんだ。でも20分ハーフの中で、一番下の僕は全部出ることになる気がするんです。僕、こういうOB戦とか記念試合みたいなものに出るの2回目くらいなんですけどね。選手会が開催した仙台でのチャリティマッチに出たことがあるくらいで、こういうフレンドリーマッチ的なことをやる機会じたいがなかったのに、年齢的にも下の方となれば、ちょっと楽しみな一方で走らないと、という怖さがありますね。まあ、ケガしたところで現在の仕事には影響ないからいいんですけど(笑)」

Q:玉田さんは本気でやると言っていました。
「本当ですか(苦笑)。じゃあ僕もついていかないと。そうか、その意味で『ついてこれるのは』だったんだな。そうか…。でも、やるからには僕も相手をボコボコにするぐらいにやりたいんですけどね。ただね、例えば小倉さんにスルーパス出しても走ってくれないと思うので(笑)。そのあたりは様子を見ながらですね」

Q:相手が中学生というのも意外と珍しいシチュエーションではないですか?
「あ、でも僕はいま高校生のサッカー部の指導もしているので、高校生の中に入ってやったりもたまにしていますし、どれぐらいの力かな、というのはわかります。現役時代にも年始に三菱養和の初蹴りに行ったりしていたので、毎年そこでは中学生とゲームしていましたからね。なんとなく、わかりますよ。中学校3年生は、現役がシーズンオフに気持ち良くやれるぐらいの相手だと思っていたので。今回のチームのレベルはわかりませんが、でも『ヤバイ…』ということにはならないと思いますよ。さすがに。大丈夫です」

Q:その感覚があるのはチームにとって大きいですね。
「意外と上手い子いるじゃん、くらいのことはあるとは思いますよ。でもまあ、いい勝負じゃないですかね(笑)。僕もちゃんとスライディングするくらいの気持ちで行きますから。闘う気持ちは準備していきます」

Q:2010年のメンバーが割合としても多い中では、当時のコンビネーションなどを思い出すこともありそうですか。
「そうですね、阿部ちゃんからは走ったら良いボールも出てきそうなので、いっぱい走りたいなと思います。タマさんと一緒に。マスさん、阿部ちゃん、タマさん、そしてナラさんがいて、一緒にやっていたメンバーとのサッカーも久しぶりですし、あとは“年配”の方たちへの対応をどうすればいいかな、という部分ですね(笑)」

Q:具体的には、そうした選手たちの特徴や癖など、この試合の中で感じたいものは何かありますか。
「僕、豊田スタジアムでの試合自体が2016年以来、試合を見に行ったこともないんですよ。新潟でも、鳥栖でも名古屋と試合をすることがなかったですし、久々に豊田スタジアムのピッチに立つことがまず楽しみです。そして一緒にプレーしていた選手たちと、ここでプレーしていたな、ってことをまずは楽しもうと思っています」

Q:このスタジアムの好きなところは?
「やっぱりサッカー専用スタジアムで、あのスタンドに覆われている感覚とかも、ホームでずっと使っていたから離れてみた時になおさらに、素晴らしいスタジアムだなって思いました。その後のホームスタジアムとの比較ではなく、日本のスタジアムの中でも本当に一番好きなスタジアムですね。見ている人の声援がダイレクトに届く、プレーしやすいスタジアムです。プレーヤーにとって幸せな時間を与えてくれるスタジアムだったなって思います」

Q:ピッチに行くまでの時間にしても、懐かしさがあるかもしれませんね。
「いや、絶対あると思いますね。何というか、あのスタジアムって特に屋根が閉まっている時には、その空間が周囲と違う空間になるんですよ。音が響き合うし、ちょっともわっとするような、ある意味で異様な空間になる感じがして。スタジアムの空気感、音の響く感じ、そこに入っていく時って…。まあ、今回の試合に公式戦のような熱気があるとは思いませんが(笑)、その時の感覚は思い出すんだろうなって思います」

Q:何か印象に残っている景色はありますか。
「やっぱりピッチに入って左側の、自分たちのゴール裏席とか、あと僕はピッチに入った時にぐるっと観客席を見渡して、どれぐらい入ってるのかな、って見るのが好きだったんですよ。まずは自分たちの、グランパスの応援席からぐるっと。その時にスタジアムが埋め尽くされてて、真っ赤に染まっているのを見るのが好きでした」

後編へ続く

reported by 今井雄一朗

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