赤鯱新報

【再掲載】【クラブニュース】永井謙佑のFC東京移籍が正式発表に。「やっぱりFWでやりたかった。それが決め手でした」

※こちらは2016シーズンに掲載した記事となります。


本日12月19日、永井謙佑のFC東京への完全移籍が発表になった。2011年に福岡大から加入して以来、ベルギーのリエージュへの海外挑戦を挟んで計6シーズンを戦った愛着あるクラブからの移籍は彼にとっても一大決心だった。決断の理由はやはり、「FWとして勝負したい」というストライカーとしての渇望。その思いがにじみ出る、最後のミニインタビューをお届けする。

○永井謙佑選手
Q:改めてFC東京への移籍について、魅力をどこに感じたのでしょうか。
「そうですね、大学の時にも声をかけてもらっていたチームですし、現状を考えてもタイトルを十分に狙えるチームだということもあります。そういうチームなので練習中から高い競争意識であったり、自分のレベルアップにもつながる部分があると思いました。それに篠田監督とは強化指定選手として福岡の時に一緒にやっていた縁もありますし、それを大事にしたいと思いました。篠田さんからは『前線、FWで考えている。サイドハーフの人間だとは思っていない』と言われていますし、それも自分の中では決め手になったところがありました」

Q:ここ数シーズンは得点も取れていましたが、やはりFWとして勝負したい気持ちがあったのですね。
「やっぱり前で、ツートップなど一番前のポジションでやりたい気持ちはありました。グランパスは最前線を外国籍選手でというチームでしたから、それも難しかった」

Q:試合の流れの中でFWをやった時に、「自分はFWだな」と感じてもいたのですか。
「ずっとDFの背後を狙えますからね。自分の良さとしても、FWの方が走るスペースも膨大にあるし、守備もやりやすいので」

Q:トップに比べると、やはりサイドハーフは制約がありましたか。
「バランスもあるし、難しい部分はあります。後ろとの兼ね合いもありますしね。一番前ではがされても後ろのブロックは崩れない、だから果敢にチャレンジもできますよね。でもサイドハーフでそれをやってしまうと、後ろのサイドバックが1対1か1対2になってしまうから。守備といってもチャレンジはしきれないですね」


Q:今回、数チームからのオファーがあったと思いますが、FW起用というのは一つの基準になっていた?
「いくつかのチームはサイドでのという話だったと聞いています。そこは自分でもFWがしたいから、ということで代理人には話をしていました。でも自分は前で勝負したかったし、今と同じなら別にグランパスに残って頑張ればいいだけですからね」

Q:もちろん、グランパスで頑張るという選択肢もある中で、この結論に至ったわけですよね?
「それはもちろんです。最初はグランパスのために頑張りたいという気持ちがあったし、だけど最後は自分の気持ちでした。代表に復帰したい気持ちもあったし、そういう挑戦をしてほしいって家族にも言われましたし。そこで決心がついたという感じでした」

Q:日本代表への思いはやはり強かったわけですね。
「そういうステージにいれば、違う刺激が必ずあるし、違う目標も見えてくるので。そういう意味でも環境を変えるタイミングだったのかなと思っています」

Q:FC東京については誰かに相談したり、聞いてみたりしましたか。
「知っている選手はいますし、人もいるので、特に聞いてはいません。でもパスを出してくれる人はたくさんいると思うし、あとは僕がどうスペースに抜け出すか、という部分になってきます」

Q:大きな決断だったと思います。名古屋の顔という自覚もあったでしょうし。
「そうですね。ずっといましたし、タイトルを獲りたかったです。オレが入った時から獲れていないので。入った時のチーム、1年目、2年目はほんとに強いチームでしたよ。1年目は優勝と勝点1差で、年間で得点を60何点取ってたでしょ。ジョシュアとタマさんで30点取っていたし。トゥさんも取ってたし、淳吾さんも」


Q:名古屋で心に残っているゴールやプレーは?
「やっぱりプロ初ゴールかなあ。磐田戦の。ACLの初ゴールも良かったけど」

Q:ACLの初得点は永井選手らしいゴールでした。“THE・永井”といった感じの。
「来季はああいう感じの得点が増えるんじゃないですかね。使われ方としても」

Q:最後にメッセージはありますか。
「今年に関しては、今まで以上に…それまでの5年間よりもサポーターの存在がオレの中でも一番際立った1年でした。すごく背中を押されたし、あそこまで良い雰囲気を作ってもらったのに勝てなかったというのは、本当に申し訳なかったです」

Q:この移籍を良い移籍にすることで、少しでも恩返しにできるのかもしれません。
「そうですね…。オレがいないことを後悔してもらえるぐらいのプレーを、来季は見せられたらと思います。そのための努力をします」

reported by 今井雄一朗

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