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ブレックス 長島蓮「本当に感謝しかありません」インタビュー【無料記事】

 

特別指定選手契約でブレックスに加入

大学では、新たに網野友雄氏が部長兼監督に、落合監督はHCに就任した。その後の20186月には、落合HCは仙台89ERSAC(アシスタントコーチ)の就任が決まり、以降、網野監督がチームの指揮を執ることになった。

「自分の代までは、網野さんが落合さんのバスケットをやり続けてくれたので、戸惑いはありませんでした。ただ、練習については全くタイプが違っていて、落合さんは練習がきつかったんですけど、網野さんはコンパクトでした」

落合HCの時は、しっかりやらないと練習が終わらなかったが、網野監督はダメだったらすぐに練習を終わらせた。「その日、その時間にしっかりと練習に集中しないとダメだよ」。こう言われたことを、長島は今でもしっかりと覚えている。

その後、網野監督に声を掛けてもらい、ブレックスの練習にも何度か参加するようになった。そうしてしばらくたった頃、「特別指定選手契約でブレックスに加入することが決まった」と伝えられた。

その瞬間、頭に浮かんだのは両親と高校時代の監督の姿だった。

「まさか僕がプロに行くなんて思ってもいなかったと思うので、すごく驚くだろうなと思いました。両親と監督には、すごく感謝しているので」

プロになりたいと思っていた長島にとって、ブレックスは憧れの場所。

「でも憧れじゃなくて、今は戦わなくちゃいけない場所だと思っています」、こう力強く語る。

網野監督も長島について、こう期待を懸ける。

「長島は運動能力は高いですが、大学時代はノリと勢いでやって来たと思うので、ガードの知識はまだまだ。これからどんどん学んでいってほしいですね」

 

「今日は決めないとやばいよ」

それからわずか5日後の32日の三遠戦。長島は、ブレックスのユニフォームに身を包み、緊張した面持ちでベンチに座っていた。

自分がメンバーに入ることは安齋竜三HCに事前に聞かされていた。「チャンスがあったら、試合にも出すよ」。そう言われていたのだが、まさか本当に試合に出るとは…。

「突然、名前を呼ばれて…。普通の試合だったらいいんですけど、やっぱり地元なので、友達とか親とか、飛龍(高校時代)の監督も試合を観に来てくれていて、それが頭にぶわーっと浮かんで、最初の試合は緊張で何もできませんでした」

コートに立ち、先輩方からもパスを回されるものの、シュートを決めきることが出来ずに初出場の試合は、あっという間に終わってしまった。

翌日は、会場の雰囲気にも慣れて、前日よりは幾分落ち着いてプレーできたが、試合に出る前に、先輩方から「今日は決めないとやばいよ、ミスしたらめっちゃ言われるよ(笑)」と、声を掛けられ、緊張しながら2度目のコートに立った。

試合終了まで残り15秒。

長島はゴールにアタックし、ファウルを受けながらも渾身のシュートを決めて、バスケットカウントを獲得。会場に詰め掛けたファンや、その様子をベンチで見守る先輩方からも大きな拍手が沸き上がった。

「決まった途端、安心して笑顔が(笑)。地元だし、誕生日だし、いろいろとうれしい事があって、ずっと忘れないと思います(笑)」。こう話しながらも笑顔がこぼれる。

「土曜日も試合に出させてもらっているのに決められなくて、ヤバいなと思っていたんです。翌日も出させてもらったのに、その前に2本ぐらいシュートを外してしまって、それでも先輩方がボールを回してくれて、やっと決めたという感じ。あれは、本当に決めないとやばいよねという感じでした(笑)」

網野監督にとっても、他人事ではなかったようだ。

「あんなに気を使ってもらって、パスを回してもらって、何本もシュートを打たせてもらって、それで土曜日にレイアップを外した時には、もうガクっときますよね(笑)。僕も半分、親心みたいな感じで観ていましたけど、次の日にバスケットカウントを決めた時には、ホッとしたというか。本当に幸せなやつだな~と思いました(笑)」

 

本当に感謝しかありません

 シュートを決めた際、体勢を崩して倒れこんだ長島に、バイスキャプテンの渡邉とライアン・ロシターがすかさず駆け寄り長島の体を起こすと、2人同時に長島の頭をポンポンと叩いて、若き選手の初得点を称賛した。

この試合は、長島の地元、静岡(浜松アリーナ)で開催されたため、試合には多くの知り合いも訪れていた。試合を観戦した両親からは、その後、祝福の連絡もあったという。

「本当にうれしく思います。背番号の『7』という数字がとても大きく見えました」

両親からこうしたメールをもらった長島は、すぐに返事を返した。

「今までありがとう。これから恩返しをし続けるので、よろしくお願いします」

高校、大学と、特待ではなかった自分のために、授業料を払い続け、バスケットをやらせてくれた両親。

「だから、親には本当に感謝しかありません」

 

 

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