バスケットボール・クラッチ

2019.10.3 ブレックス対川崎(2019-20開幕戦レポート)

9514人の大観衆の中、待ちに待ったBリーグ2019-20シーズンが幕を開けた。ブレックスの対戦相手は川崎ブレイブサンダース。平日開催にもかかわらず、会場となった横浜アリーナにはブレックスファンが大勢駆付けていた。(文:ずんた/写真:山田壮司)

 

前半はどちらも激しいディフェンス

ブレックスのスターティングメンバ―は、田臥勇太、ジェフ・ギブス、比江島慎、遠藤祐亮、ライアン・ロシター。

お互いに激しいマンツーマンディフェンスでスタートした試合序盤は、どちらもシュートがなかなか入らない展開となった。試合後、「とにかくシュートが入らなかった。ディフェンスからのルーズボールもしっかりと取れなかった」(比江島)と語るように、打つシュートがことごとくゴールに嫌われた。それは川崎のディフェンスのあたりが強く、スペーシングがとれなかったということもあるだろう。

Q(クォーター)のブレックスの2ポイントシュートの確率は、33.3%、3ポイントシュートの確率は16.7%。それでも、ディフェンスで我慢を続けていたので、川崎のシュート確率も同じような確率で、前半終了時33-312点ビハインドながら接戦での折り返しとなった。

 

川崎ペースになってしまった後半

後半になっても、シュートがなかなか決まらないブレックス。試合後、安齋竜三HCは、「確率が悪かった時にメンタル的が下がってしまい、きちんとスペーシングをとれなくなった」と語った通り、シュートが入らないことによる焦りが見え始め、オフェンスも個々がドリブルで進めていくようなプレーなどもあり、試合の歯車が徐々に狂い始めていた。

そんな中、川崎はじわりじわりとオフェンスを立て直し始めていた。川崎の長身の新外人マティアス・カリファニとジョーダン・ヒースがゴール下に入り込みシュートを決め始める。それにより、試合の流れが川崎に向き始め、川崎の篠山竜青のシュートも止まらなくなる。気が付けば78-57という大差で初戦敗戦となってしまった。

試合全体を通して、ブレックスはディフェンスリバウンドが取れていなかった。また、シュート確率も大きく差が出ている。試合後のインタビューで、安齋HCと田臥が口をそろえて言っていたのは、「残りあと59試合あるので…」という言葉。そう、この開幕戦は、60試合ある試合の1試合目である。

昨シーズンとメンバーが変わっていないブレックスに対し、川崎は、新生川崎とも言えるほど、メンバーがガラリと変わっていた。特に、新加入の新外国籍選手2人については、「かなりアグレッシブで、どんどん走り、どんどん前に出るディフェンスをやり続けられる選手。2人は高さもあるので、昨シーズンとは違う川崎だなという印象があります」と安齋HCも語っている。

安齋HCの「この試合が底辺だと思って、今後はいい試合をしていきたい」という言葉を信じ、これからのブレックスに期待をしていきたいと思う。

 

 

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