バスケットボール・クラッチ

佐々宜央AC「ACはHCのためにもいるし、選手のためにも存在しなくてはいけない」インタビュー

宇都宮ブレックス 佐々宜央アシスタントコーチ

 

201920シーズン途中からチームに加わり、今シーズンから正式にブレックスのAC(アシスタントコーチ)に就任した佐々宜央氏。HC(ヘッドコーチ)経験を経て得たことを、ブレックスでどのように活かしていくのか…。「選手の個性をHCのやりたいことに融合していく」ためには、ACの存在がかなり大きな意味を持つのだと、話を聞いてあらためて実感しました。あと、個人的には「ブレックス版〇〇」がすごく楽しみです(笑)。(文:藤井洋子)

 

—昨シーズンの途中からの合流となりましたが、合流初日の選手の反応はいかがでしたか。

初めてチーム練習に合流した日は一番に体育館に着いたのですが、そこにライアン(ロシター)が来たので、少し話した後で彼のリバウンドを取っていました。その後、次々とほかの選手が入ってきたのですが気付かれず、むしろ自分から渡邉(裕規)にあいさつに行かせていただきました(笑)。みんな自然体で受け入れてくれて、本当にありがたかったです。

 

—シーズンが途中で終了してしまい、チームの一員として戦えたのは数試合だったと思いますが、昨シーズンのブレックスをどのように見ていましたか。

印象に残っているのは、シーズン序盤のシーホース三河戦です。外国籍選手や竹内公輔などをケガで欠いた中で、橋本晃佑や鵤誠司が4番(パワーフォワード)で試合に出ていました。その試合はチームとしても一体感があるようにも見え、非常に良いゲームだと思いました。

その後、徐々にケガ人が戻ったり、外国籍選手やテーブス海が加わる中で、少しチームとしてのバランス感覚が合わなくなっていったように感じます。

僕がチームに合流したのはその少し後で、新しく加わったメンバーたちが融合していき、2019-20シーズン、一度も勝てなかった川崎ブレイブサンダースに1勝を挙げ、アルバルク東京にも勝利。三河にも勝利して、ここから面白くなっていくと思ったところでシーズンが終了してしまいました。

 

—琉球ゴールデンキングスにいた時は敵チームとしてブレックスを観ていたわけですが、対戦する時はどのようなお気持ちでしたか。

お世話になったチームなので戦えるのはすごく楽しみでしたが、ブレックスのホームで敵として戦うのは嫌でしたね。ブレックスアリーナでの試合であれば2連敗してもおかしくないので、当時はブレックスに2連勝することが最大の目標でした。

その中でも11敗にすることができたり、ダブルオーバータイムの試合もあるなど、印象に残る試合は出来たかなと思います。

 

—今回、ブレックスに戻って来るにあたり、ほかのチームへの移籍ということは考えませんでしたか。

鎌田眞吾GMと話をする中で、自分の場所を用意してもらえたので、迷うことはなかったです。

 

—町田洋介ACとは、以前から面識があったようですね。

僕はJBLの時代からコーチをやっていて、その時、町田さんはブレックスの選手でしたから、そういった意味では面識はありました。あとは、指導者講習会などでは顔を合わせたことがありました。

 

HCを経験されてから、またACになることで生かされる部分も多々あると思います。例えば選手との付き合い方については、どのように考えていますか。

HCはチーム全体を見なくてはいけません。なかなか毎回、個人個人とのやりとりをする時間がない時があります。そういった意味でACは伝達力がすごく大切です。

HCのやりたいことを手助けすることが仕事でありながら、選手には個性があるので、その選手の個性をHCのやりたいことに融合していくことを考えなくてはいけません。そのバランスについて一番集中しなければいけないと感じています。

またスキルの面だけではなく、チームと個人の目標に関しても、意識を向けなくてはいけません。HCは、当然勝利に向かっていきますが、選手というのはチームの目標とは別に、個人の目標を持っています。

これまでに、個人の目標設定がチームの目標につながらない選手を多く見てきました。それでは、チームは勝てないですし、個人もそのチームにいる間は、良い思いをしないでしょう。これは、単純に自己犠牲を払うということではく、個人の目標を追いながら勝利を目指すということです。

虫の良い話だと思いますが、そのバランスを考えながら、選手と1シーズン向き合っていかなくてはいけません。ACHCのためにもいるし、選手のためにも存在しなくてはいけません。

(残り 3035文字/全文: 4884文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ