安齋竜三HC「組織的なディフェンスの向上と流れのあるオフェンスを」(インタビュー)
2021-22シーズンの開幕節で2連敗となってしまったブレックスですが、翌週は1勝1敗に。4試合が終わった時点で1勝3敗という戦績についての感想や今シーズンの展望、選手に期待したいことなどを安齋竜三HC(ヘッドコーチ)に聞きました。 (文・写真/藤井洋子)
―開幕節では2試合とも群馬クレイサンダーズに敗戦となり、翌週は川崎ブレイブサンダースに1勝1敗となりました。まずはこの4試合の感想を聞かせてください。
開幕節の群馬との2試合は、夏から継続してやってきたこと、またチェイス・フィーラーやアイザック・フォトゥが入ってからやってきたこと、それらを出せた部分はもちろんありました。ただ、このチームでは、“勝ち切る経験値”がまだあまり無い状態での試合でした。特にオフェンスでどこを狙うか、どういうオフェンスをするのかという部分での経験値の無さが出た試合になりました。
また、群馬との1試合目はファウルの必要がないところでファウルをして、相手にフリースローを与えてしまったり、3ポイントシュートを打たれて追いつかれたりということがありました。2試合目も焦ってターンオーバーになって追いつかれることがあり、本当にもったいない2試合となってしまいました。
試合の最後の詰めの部分の精度についても経験値が無く、そこでどうプレーしていこうかというところまで準備ができていなかった部分が大きかったと思います。
―それを受けて次節の川崎戦は、いろんなことを試しているようにも見えました。
そうですね、川崎戦はいろんなことにトライした2試合でした。現時点での完成度で言えば川崎の方が断然上なので、トライしないと戦っていけません。それを1試合目にやった時に選手が順応してくれて、川崎も少し混乱したりして勝ちゲームまで持っていけました。川崎から1勝取れたのは、群馬の2試合を落としてしまったことを返すくらいの価値があると思っています。
しかし翌日の試合では、川崎もしっかりアジャストしてきて、本来の力を発揮してきました。2試合目は3Q(クオーター)で15点差をつけられてしまい、そのままズルズルいってもおかしくない状況でしたが、そこからまた同点まで戻せました。
その結果、どうやって同点まで戻せたのか、ディフェンスでどういう頑張りをしたのかを気付くことができました。ルーズボールに積極的に行くことで、勢いを自分たちに持ってくることもできました。試合には負けましたが、ここで気付いたことを続けていけば良いチームができるということを、証明できた試合だと思っています。
ですから群馬との2試合とは全く違う、価値のある1敗だったと受け止めています。遂行力はまだまだ低いですし、オフェンスについてもまだ把握できていない状況ですが、そうした中でも戦っていけるというのが見えたのが良かったですし、今後は遂行力を上げていけばいいということも分かりました。
最後の詰めの部分で勝敗が分かれた
―長年チームを支えてきたライアン・ロシター選手とジェフ・ギブス選手が抜けたことで、シーズン序盤は少し混乱する部分もあるのかなと思っていたのですが、大きく崩れることなく、安定しているなという印象を受けました。
早い段階で良くなってきているので、ああいうゲームができたのだと思います。群馬は個人の能力が高いチームなので警戒していましたが、40分間に限って言えば点数もそれほど取られませんでした。本当はそこで勝ち切っていれば、また違う形になった可能性もあるのですが、やっぱり甘くないですね。本当に細かい、最後の詰めの部分で勝敗が分かれたのだと思います。逆に言うと、うちはこれまでそこで勝ってきたということかもしれません。
今シーズンはチーム状況が変わったので、やっぱりそこ(最後の詰めの部分)はまだ難しいのかなと思います。でも、まだ4試合ですし「開幕節でこういうことが経験できたことは良かった」と、シーズンが終わる頃に言えるようなチームになっていればいいんじゃないかなと思っています。
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