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川本梅花 フットボールタクティクス

【時間の暴走】第7話:僕はすぐに写真を撮りたがる

フットボールショートコラム【時間の暴走】第7話
一眼レフのレンズ玉 [モデル:ごりぱく]©すしぱく
「写真」という名詞を耳にする時、僕は椎名林檎のバラード「ギブス」の最初の歌詞を思い出す。この曲は、2000年1月26日にリリースされた。ちょうど僕が、スイスのジュネーヴ大学の大学院に留学していた時だった。

実際に、「ギブス」を聴いたのは、日本に帰国してからで、あれは確か、2005年のことだ。椎名林檎のこの曲の最初のフレーズを、僕はすごく気に入っている。

ギブス 作詞:椎名林檎
http://j-lyric.net/artist/a00450a/l000ad3.html

僕はこの歌詞の中の彼と同じように、「すぐに写真を撮りたがる」。写真を撮る方に力を注ぐ。被写体を美しく収めたい。だから、どのような視点から被写体を捉えれば、より美しく描けるのかと考えてシャッターを切る。でも、素人の僕は、自分がイメージした頭の中の構図を、カメラを通して実現化できない。それは、養ってきたセンスの集積が、僕にはあまり活かされていないのだと諦めている。

「養ってきたセンス」とは、今までに見てきた絵画や写真集などの作品や風景を、うまい具合に肥やしにしてきて自分のものにした、という意味である。最近、僕がよく考えるのは、意識的なのか無意識的なのかは別にして、過去に見た何かの絵画などの構図が、頭の中の記憶庫に刻印されているから、実際に写真を撮る時に、その記憶庫からイメージを取り出してシャッターを切るのだろう、という仮説である。

僕にはそうした「センス」がないと「諦めて」いる、と語ったのは、こうした理由があるからだ。スイスに住んでいた頃、ジュネーヴのコルナヴァン駅からフランスのパリ・リヨン駅までTGV(高速鉄道車)に乗って約3時間ちょっとで行けた。だから僕は、オルセー美術館やルーブル美術館に何度も足を運んだ。それでも、「センス」は養えなかった。多少は、美術館で見た絵画に効力があったのかもしれないが、自分が「こう撮りたい」と考えた構図がうまく表せないのである。

2月19日に流れてきたツイッターの中に、魅かれる写真が目に入ってきた。FC町田ゼルビアなどのピッチレポーターを務めるアナウンサーの三浦ひろみ(@hiromi_mi09)さんの以下の写真である。

ピッチの芝生に映された影が印象的な写真である。僕はこの写真を見た時に、「ああ、センスあるな」と思った。これ以上、あれやこれやと語ると、本人がプレッシャーになってしまうので(もう十分にかかっているかも)、話を切り上げるが、その人が撮った写真を見れば、その人の過去に鑑賞した絵画などのイメージが反映されているのかもしれない、というお話であった。

川本梅花

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