川本梅花 フットボールタクティクス

【無料記事】取材は「千葉県立柏の葉公園総合競技場」より

ラインメール青森の「ねぶたチャント」の一撃

3月18日、土曜日の13時、快晴に恵まれた柏の葉公園総合競技場において、第19回日本フットボールリーグ ファーストステージ 第3節、ブリオベッカ浦安対ラインメール青森の試合が行われました。

試合は、ラインメール青森に今季加入した横野純貴のシュートが決まって、1-0でラインメールが勝利を収めました。上の写真(撮影:重田航)は、その瞬間です。スタンドには青森県から駆けつけた数人のラインメールサポーターが声援を送っていました。青森市で行われる夏祭りの「ねぶた」の祭典で、声を張り上げてうたわれる囃子(はやし)をチャントにした「ねぶたチャント」は、ここ一番の緊迫した場面を演出するのに、最適なチャントです。

この「ねぶたチャント」に関して、ラインメールのサポーターであるエルチカラさんは、Twitter(ツイッター)で以下のように話題のチャントを説明してくれました。

エルチカラさんの投稿に対して、コンサドーレ札幌のサポーターであるゆういちさんは次のように返信します。

僕も「ねぶたチャント」を初めて聞いた時、ゆういちさんと同じように「良いチャントだな」と感じました。なにかこう、奮い立たされる感があります。

青森ねぶたの起源は、坂上田村麻呂が陸奥国の蝦夷征討に赴いた際(約800年頃)、戦場において、唄や踊りや太鼓などを使って、敵を油断させ誘い出す手段としたことが発祥だと言われてきました。しかし近年、それは都市伝説であって、青森市に近い温泉街・浅虫のねぶたが起源だと言われています。

僕は、青森県の弘前市の高校に通っていたので、夏祭りは「ねぶた」ではなく「ねぷた」でした。真ん中の字が「ぶ」ではく「ぷ」なんです。青森県には、大きく分けて青森市の「ねぶた」と弘前市の「ねぷた」があります。「弘前ねぷた」は、扇型の山車燈籠を引いて街を練り歩くスタイルです。「青森ねぶた」のように、飛んだり跳ねたりして練り歩きません。どちらかと言えば、優雅という趣(おもむ)きですね。

青森市内に親戚が住んでいたので、「青森ねぶた」が行われる時は、親戚の家に泊まりに行きました。大学に行ってからも、何度か「青森ねぶた」を見るために、その親戚のところに泊まりに行ったことを、ラインメール青森の「ねぶたチャント」を聞いて、僕は、思い出しました。

ラインメール青森のサポーターが奏でる「ねぶたチャント」は、対戦相手に一撃を食らわすほど威力がある、という都市伝説が広まることを願うほどに、すてきなチャントなのです。

川本梅花

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