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川本梅花 フットボールタクティクス

【時間の暴走】第13話:ブレイクする予感、前田大然に注目せよ!

フットボールショートコラム【時間の暴走】第13話

水戸ホーリーホックに注目のアタッカーが現れた。それは、今季、松本山雅FCから期限付き移籍してきた前田大然である。彼を水戸の試合で最初に見たのは、2月11日に行われた「いばらきサッカーフェスティバル」の対鹿島アントラーズ戦だった。65分に内田航平に代わって背番号38番の前田がピッチに入ってきた。

彼のプレーを見て僕は「なんだこれは」とうなった。とにかく、彼の動きは、僕のハートにバシバシと訴えるものがあった。「この感覚は、確か……あの選手を見た時に味わった感覚だよな」と僕は自分自身に問い掛けた。その問いが間違っていなかったことは、あとから分かるのだが、その話は、まだ先に取っておくことにする。

鹿島との試合が終わって、水戸のDF細川淳矢に早速尋ねた。

「前田はやるでしょ」

「はい、彼はいいですね。活躍する予感がしますよ」

「だよね」

僕が次に「前田はブレイクするだろう」と抱かせたのは、4月1日の明治安田生命J2リーグ第6節のレノファ山口FCで見せた64分のゴールシーンだ。山口のDFが付いていけない抜け切れるスピードとシュート時の足の振りの速さ。いったい誰が前田を水戸に連れてきたんだろうか。こんな選手が、なぜ松本で試合に使ってもらえなかったのか。その2つの答えは、4月22日のJ2第9節、対アビスパ福岡戦で解明する。それも先に取っておくことにする。読者は、「取っていかないで早く言えよ」と感じるのだろうが、まあ、その理由は、このコラムの最後に述べることにする。

アビスパ福岡との試合は、水戸が1-1で引き分けた。試合後の監督会見で、僕は井原正巳監督に次のような質問をした。

「前半、ラインが下がったのは、水戸のプレッシャーが強かったからというのが理由ですか?」

井原監督は、ここで前田の名前を挙げてラインが下がった理由を述べる。

「こちらの感覚ですけれども、前田選手のスピードに背後を一発で取られるのが怖くなって、少しわれわれが引いてしまったというか、どうしても受けてしまって、強気のディフェンスができなかったのかな、という風には思っています」

対戦相手の監督から名指しで個人のプレーを指摘されることは、そうそうあるわけではない。それも、前田にとってポジティブな意味での話なので、福岡が水戸をリサーチした結果の答えなのだろう。

実は、井原監督が述べた前田の評価について彼本人に尋ねている。前田は「裏への飛び出しや前線からの守備は、僕の持ち味ですから。相手が嫌がるのは分かっていたので、そこは意識してやっています」と自信をのぞかせる。

井原監督の会見の後に、水戸の西ヶ谷隆之監督の話が始まる。僕は、監督に「前田選手への評価はどんな感じでしょうか?」と尋ねる。監督は丁寧に質問に答えてくれた。

「若いですしね。チームでのコンビネーションとか、頭を使う作業とかはまだまだだと思います。ただ、あのスピードとソロで持っていけますから。そこのところは、うちのスタイルにすごく(合っています)。攻撃においても守備においても、スイッチを入れてくれる選手なので、そこのところを評価してゲームに関わらせています。きょうもチャンスがあったので、若さというところで、ああいう部分でもうひとつ点を決め切るパワーがあればと。そこにこだわるパワーがあったなら、もっともっといい選手になると思います。まあ、でも全部を求めてもいけないと思っているので。でも試合に出て、ピッチに立っている以上、責任は彼にもしっかり求めていきます。彼が何を感じて、何を次にトレーニングしていくのか。まあ、伸び代はすごくあって、期待が持てる選手なので、一緒にやっていきたいなと思っています」

僕は、少し前に井原監督が話していた前田への印象を西ヶ谷監督に伝えた。

「さっき井原さんに聞いたら『DFが前田の裏への飛び出しを怖がったから、ラインを上げられなかった』というようなことを言っていたんですが、監督も見ていてそういうのは感じたんですか?」

監督は再び、答えてくれる。

「感じたというよりも、あのスピードは驚異なので、やってる当事者としてはラインが下がるのは普通に感じるので、前半、相手もパワーがありますけど、彼(前田)は、90分通してああいう動きができる選手なんです。そこに関しては、『相手としては嫌でしょう』というのは思っていますね。相手が攻撃的なチームでサイドバックが高い位置を取って、両脇にスペースがあって、ラフなボールでも、ルーズボールでもマイボールにしてしまう。1つ入れ変わって、ゲームの中で関われる時間をもっともっと延ばしていく。オンだけじゃなくてオフの時も増やしていければ、もっともっと良くなると思います」

さて、僕が前田のプレーを見て、いったい誰のプレーをイメージしたのか? さらに、水戸の誰が前田に声を掛けたのか? そして、なぜ、松本で前田は試合に出られなかったのか? この3つの問いに関して、Web「サッカーキング」で前田大然のノンフィクションを書くので、その中で、答えは明かされます。

とにかく、前田は大化けする可能性大です。チェックしてください。

川本梅花

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