川本梅花 フットボールタクティクス

【蔵出し取材メモ】#ブラウブリッツ秋田 へ期限付き移籍 #外山凌「試合に出ることで課題が浮き彫りになる」【インタビュー】J3第22節 #SC相模原 戦後のコメントより

外山凌「試合に出ることで課題が浮き彫りになる」

スタジアムに取材で訪れた記者は試合終了後、監督や選手たちから話を聞くことになる。その内容は主に、先ほどまで行われた試合に関する説明や分析、感想、あるいは次の試合に向けた意気込みとなる。こうしたコメントの多くは、いわゆる“賞味期限”が短い。タグマ!の分析によれば、試合終了から48時間が目安となるようだ。

しかし「川本梅花フットボールタクティクス」では試合後に十分な時間が取れず、コメントを公開できないまま、48時間を経過することがしばしばある。旬を逃したコメントを掲載することに抵抗があるため、何らかのタイミングで紹介できるように準備をするのだが、多くの場合は空振りとなる。

そうすると、せっかく監督や選手たちから聞いた言葉がふいとなるため、方向を展開。旬を逃したと自覚しつつも掲載することにした。ここに掲載する記事は“直近のコメント”ではないことをご承知いただきたい。

取材メモ:外山凌コメント

外山凌選手は2018年8月、水戸ホーリーホックからブラウブリッツ秋田へ、育成型期限付き移籍をした。

http://blaublitz.jp/whatsnew/53520.html

外山選手は2017シーズン、阪南大学から水戸に加入。昨季は21試合に出場して1得点を記録した。しかし今季は水戸で、J2リーグ戦6試合に途中出場するのみだった。秋田ではJ3第20節から第25節まででJ3リーグ6試合に出場(5試合で先発)2得点を記録している。

https://data.j-league.or.jp/SFIX04/?player_id=23202

2018年9月8日、J3第22節・SC相模原戦[1〇0]

https://www.jleague.jp/match/j3/2018/090810/live/

――プロになって、どんな印象を持った?

外山 プロになってから守備のことしか、やってこなかったので、プロの印象は守備のことばかりですね。

――守備から始まって攻撃を作るという意味での守備なの? それは西ヶ谷隆之監督(昨季まで水戸、今季よりSC相模原を指揮)の頃からの話?

外山 ガヤさん(西ヶ谷隆之前監督)は僕が中学の時から知っているので、そういう意味では理解してもらえたのですが、チームとして守備から入ってカウンターというやり方だったので、やっぱり攻撃的なチームかといったら、僕にはそう思えなかったです。

――水戸ホーリーホックから、8月にブラウブリッツ秋田へ育成型期限付き移籍。秋田はどんなチームなのかな?

外山 秋田はすごく攻撃的なチームだなという印象です。(間瀬秀一)監督とのコミュニケーションが取れて、やりたいこともハッキリしています。相手がどうこうじゃなくて、自分たちのサッカーを貫くというスタイルです。相手の矛盾点を突くようなサッカーをしないので、僕には合っているし、やりやすいんですよね。

――期限付き移籍といえば、昨季藤枝MYFCに行って水戸に戻ってきた伊藤槙人選手が、シーズン当初は苦しんだけど、いまはレギュラーを奪っている。西村卓朗強化部長も、そういう選手を増やしたいと言っていた。秋田への移籍を経て、水戸に戻ってきた後、どれだけ自分が変われているのかが大事だよね。

外山 僕も成長したいと思ってここ(秋田)に来たました。水戸にいる時は「なんで自分は試合に使われないんだろう」とずっと悩んできました。自分を客観的に見た時に、足りないところがあるから試合に出られないわけですよね。自分に足りない部分、そういうところをここでは補っていきたい。常に、J3の相手に向かっていって、これはJ2やJ1でも通用するのかと振り返っています。いまは常に満足していないです。だから、成長できると信じています。

――自分に足りなかった部分とは、どこなの?

外山 ずっと調子がいい時期、僕は「なんで使われない、なんで使われないんだ」と思っていましたが、いざチャンスがポーンときた時に、チャンスをつかめない。普段は調子が良くても、使われた時に結果を残せる選手が使われる選手になれると思います。1つひとつの詰めの甘さとかですね。「なんで自分は出られないんだろう」と考えるのではなく、「もっとできたことが、何かあるんじゃないのか」と思うようになりました。

――いま、秋田では一人暮らしなの?

外山 はい。

――水戸にいた時は寮住まい?

外山 はい、寮です。

――そうか、生活のスタイルも変わったんだね。

外山 だいぶ変わりましたね。

――ところで、SC相模原との試合だけど、左ウイングのような形でプレーしていたね。縦に突破したり、中に入ってペナルティエリアに侵入しようとしたり、随分積極的に動いていたように見えた。ホント、アグレッシブになったね。

外山 もともと、そういうプレースタイルで、秋田では監督の下、自由にやらせてもらっていることが大きいです。

――ここで何を手に入れたい?

外山 決めるチャンスがあった時に決めきれる選手。そうした選手になるキッカケを手に入れたいです。

――試合開始すぐにスルーパスが出て、GKと一対一になった場面があったよね。

外山 そうなんです。得点という結果を残せないとダメなんです。ドリブルができてクロスを上げられるけど、得点を取れない、結果を残せない。そんな選手にはなりたくないので、試合に出たら得点を挙げることを目標にしています。結果を出せなかったから、全然満足はしていないんです。

――あのシュートのシーンは、どうだったの?

外山 普通に入るかなと思って打ったのですが、ゴールからボールが少し外れていきました。ああいうシーン、前半からチャンスが来るシーンは、J2だと、なかなかないです。だから、ああいう場面が来ているのに決めきれないのが、自分の実力だと思うのです。あそこで絶対に逃さない選手になりたい。

――チャンスはなかなか来ないじゃない。だけど、いざチャンスがきた時に決められればね、インパクトも大きいから。そこに集中していかにモチベーションを維持できるかだよ。

外山 自分の部屋で練習の映像を撮ってもらい、見ています。iPadに入れ、自分のドリブルの形とか、分析してこういう時はこうしようとか、イメージトレーニングをしています。

――いまは、チャンスだよね。外山くんの潜在的な能力は高いから。

外山 ここでいい結果を出すことしか考えていません。

――自分の売りはどこなの?

外山 僕は左足も右足も使えるので、際どいところからのクロスを上げられます。カットインからのシュートもあります。そういうところは、自分の武器だと思うので、そうした場面でトライする回数を増やしたいです。

――秋田のシステムは「4-3-3」で、外山くんは左ウイングだけど、「4-4-2」になった場合、FWとサイドだったら、自分の適正ポジションはどこだと思う?

外山 僕はサイドの方がやりやすいですけど、FWでも僕が裏を狙うなどできるので、どちらでもやれます。

――プレーを見ていて、いまのウイングのポジションは適正だと思うよ。楽しいでしょ?

外山 本当、楽しいです。試合に出られることで、自分の課題が浮き彫りになりますから。そのプレーを後から自分が見られることが大きい。次の試合で、足りなかったものにチャレンジできるから、ありがたいです。決定機でちゃんと決めきれる。相手が2人来た時にどう抜いていくのか。練習と実際の試合では違うので、試合に出られることで、得られるものは計り知れないです。

川本梅花

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