川本梅花 フットボールタクティクス

【インタビュー】#岸本武流「誰々よりも勝ちたい、と思ってやっていたので、僕は成長できなかったんです」【無料記事】J2第41節 #FC岐阜 戦後のコメント

岸本武流「誰々よりも勝ちたい、と思ってやっていたので、僕は成長できなかったんです」

明治安田生命J2リーグ第41節が11月11日に行われ、水戸ホーリーホックはケーズデンキスタジアム水戸でヴァンフォーレ甲府と対戦。14時キックオフの試合は、1-1で引き分けとなった。期待が大きいフォワード、東京五輪世代の岸本武流選手に話を聞いた。

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ーー守備際に、倒れ込んでも相手にボールを渡さずに、味方にボールを渡そうとしていたプレーがあったね。正直言って、あのプレーには心打たれた。何かを決めたの? 今日のプレーは、何かを覚悟をしたように見えたけど。

岸本 そうですね、やっぱ、人のために頑張ろうと。自分が自分がと思っていたところを、もちろんそれは大事なことなんですが、やっぱりチームが勝つことが優先というか。そう思いました。

ーーもう、他にも決めたことがあるの? どこかに出ようとか? セレッソに戻ろうか、とか。

岸本 まだ何も決まっていないんです。とにかく、目の前の試合を頑張ろう、と思っただけす。

ーー何か覚悟を持って試合に臨んでいるのかと思った。だから、水戸を出ようと決めたのかなって。

岸本 いや、全然ないです。なんなら、来年も水戸で、と。

ーー本当か?

岸本 いやー、全然、まだわかんないっす。

ーー今日のプレーを見て、水戸のホーム最終戦だから、「これで最後か」と思ってプレーしているのかなって。なんだか、感動してしまったんだよね。

岸本 そう言ってもらって、めっちゃ嬉しいです。

ーー右サイドにロングボール出されたときも全力で走って追いついていた。審判はファールを取ったけど。シュートを打った場面とか。泥臭いというか、何かを考えたんだろうな、と思った。

岸本 それは…もっとやらないと、と思った。もう、最後やし。泣いても笑っても、この試合は1回しかないので。色々お世話になったんで。点を取って、「ありがとうございました」とやりたかった。自分のプレーで、何かを感じてもらえたら、嬉しいことです。

ーー今日のプレーを見て、多くのサポーターが何かを感じたと思うよ。

岸本 一番変わったことは…めっちゃ優越感を持ちたいと思ってやってしまっていたんです。僕は、知らないうちに、人と比べていたんですよ。開幕して試合にずっと出させてもたじゃないですか。そこからポジション奪われて。なんで、(伊藤)涼太郎やねん、と思った。涼太郎よりも上手くならないと試合に使ってもらえない。そうやって焦っていったんです。それって、自分の将来の目標とか、ビジョンを実現したと思ってやっているのに、誰々よりも勝ちたい、と思ってやっていたので、僕は成長できなかったんです。自分が本来やるべきことは、自分の目標に対して頑張らないとならなかった。健全な、考え方が大事なんだ、と気づいて。人の目を気にしていたのが大きかった。

ーー今季最後の次節の金沢戦に向けて、思うところはある?

岸本 試合に出たら、がむしゃらにボールを追いかけて、ゴールを狙っていきたいですね。それは、チームを勝たせるために、走りたいです。

川本梅花

 

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