川本梅花 フットボールタクティクス

【コラム】コパ・アメリカ2019の予習に【無料記事】「footballista」(2019年6月号)

「フットボリスタ」(2019年6月)コパ・アメリカ2019の予習にオススメ

今回取り上げる「おいしい活字」は、海外サッカー専門誌の月刊「フットボリスタ」です。6月号は、5月11日に発売されています。特集記事は「コパ・アメリカの展望」です。サッカー日本代表が、20年ぶりに参加するとあっての特集記事は、南米のチームの選手や監督のインタビューが載っていて、読み応えがある内容になっています。

まず、日本代表の試合日程ですが、以下のようになっています。

グループC
6月17日 日本対チリ(日本時間6月18日8:00キックオフ)
6月20日 ウルグアイ対日本 (日本時間6月21日8:00キックオフ)
6月24日 エクアドル対日本 (日本時間6月25日8:00キックオフ)

「コパ アメリカ ブラジル2019」に招集される代表選手も発表されています。

https://www.jfa.jp/samuraiblue/copaamerica2019/member.html

森保一監督にとっては、いくつかの規制の中での選択だったので、斬新な選手選考になりました。「斬新な」というのは、予想していた選手がいないことを意味します。例えばエクアドル代表を率いるエルナン ダリオ ゴメス監督は、「印象に残った選手」として2人の選手の名前を挙げています。(p.64-65)。その2人は、今回のコパに呼ばれなかった選手でした。

コロンビア人のファビアン ロッソ記者は「日本は3月にコロンビア、ボリビアと親善試合を行いましたが、分析の役に立ちましたか?」と質問します。ゴメス監督は、次のように答えます。

もちろん。いかなる試合も鑑定と分析の対象になる。いまのところ、コロンビア戦を分析したが、この試合での日本はどのラインも堅固で、守備から攻撃への切り替えが早く、非常にダイナミックなプレーを見せた。あと、いままであまり見たことのなかった何人かの選手が印象に残った。(p.65)

ロッソ記者は、すかさず「それは誰でしょう?」と問いただす。そこで、ゴメス監督は2人の名前を口にしたのだ。

アタッキングゾーンでの破壊力が印象的だった堂安(律)とシンプルだが明確なプレーを見せた南野(拓実)だ。(p.65)

今回の大会には、残念ながら堂安も南野も招集されていません。ゴメス監督は、いまの日本代表について、2018FIFAワールドカップ ロシアに出場したメンバーに、新しい選手を融合させたチームだとしても「日本代表の戦い方は変わらない」と述べています。

たとえ選手が変わろうとも、プレーのインテンシティ、両サイドのスピード、高い位置でのプレッシングはもはや日本代表の遺伝子になっていることだ。(p.65)

ゴメス監督は、このように日本代表のサッカーを解釈しているようです。

雑誌の中で「コパ・アメリカ座談会」(p.71-77)として、サッカーライターの西部謙司氏と河治良幸氏、さらに「フットボリスタ」編集長の浅野賀一氏が語り合っています。日本代表が初めて出場したのが1999年の大会です。当時は、フィリップ トルシエ氏が監督を務めていて、コンサドーレ札幌に加入していた吉原宏太氏が急きょ呼ばれた記憶があります。日本代表の試合は、南米の強豪国に完膚なきまで叩きのめされました。その大会に出場した呂比須ワグナーの話を、西部さんが取り上げます。

そこへ取材に行った記者が、当時の日本代表FWの呂比須ワグナーに『10年早かったんじゃないの?』と聞いたら、『いや、10年遅かったんです』って答えが返って返ってきたそうです。僕もコパ・アメリカに参加するのが遅すぎたと思っているから、ここから続けていけばいいと思う。参加できるハイレベルの大会は、これしかありませんからね。(p.77)

1999年に参加してから何度か参加要請があったコパ・アメリカですが、日本サッカー協会は、そのたびに大会参加を断ってきました。西部氏が言う通り「参加できるハイレベルの大会はこれしか」ないのだから、日本代表にとって真剣勝負の大会はとても重要です。

僕の関心事は、森保監督がA代表で「3-4-2-1」をいつ採用するのかと言うことです。この問題も、座談会の中で話題になっています。西部氏によると「精神」や「性格」の問題だとなります。

ナショナルチームだから、自分が前面に出て森保サッカーはこうだと言うのはあんまり出したくないんじゃないかな。(中略)もう少し時間が経てばいろんなフォーメーションを試すと思います。(p75)

さて、森保監督の率いる日本代表は、コパ・アメリカでどのような戦いをするのでしょうか? 「フットボリスタ」の特集記事「コパ・アメリカの展望」は、十分な予習になる中身になっています。

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