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【試合分析】危険な場所でのファウル…原因は消極的な守備に【無料記事】J3第11節 #ヴァンラーレ八戸(@vanraure)0●3 #藤枝MYFC

ホーム未勝利のプレッシャーか…求められる変化

2019明治安田生命J3リーグ第11節
ヴァンラーレ八戸 0●3 藤枝MYFC
https://www.jleague.jp/match/j3/2019/060909/live/

6月9日の日曜日、明治安田生命J3リーグ第11節、ヴァンラーレ八戸対藤枝MYFCがダイハツスタジアムで行われた。

ホームの八戸は前節、連敗を4で止め、6試合ぶりの白星を挙げた。フォーメーションは前節と同じ「3-5-2」で、細かく記せば「3-2-3-2」の2トップ。今季ホームでの初白星を狙う。

対する藤枝は、現在八戸を率いる大石篤人監督が2015年から2018年7月まで監督を務めた古巣だ。新監督に名将・石﨑信弘氏を迎えた藤枝。フォーメーションは「3-6-1」で、1トップは森島康仁が務める。J3第7節で首位に立つも、直近3試合は1分け2敗と停滞しており、再浮上のキッカケを欲している。

両チームのシステムを組み合わせた図は、以下の通りだ。

消極的な守備…思い切った変化が必要

八戸の3失点は、直接FKとPKからである。これらの失点は、相手のキッカーを褒めるしかない。例えば58分、藤枝FW森島康仁のPKは、八戸GK花田力がコースを読んでいた。あと数センチでボールに手が届きそうだったが、森島のキックはギリギリの場所を突き、防げなかった。2つの直接FKも、キッカーのうまさを認めるしかない。しかし、直接FKやPKを与えたキッカケは問題だ。

13分、鈴木準弥のFKは、藤枝MF安藤由翔を八戸MF三田尚希がファウルで止めたことで与えられた。森島のPKは、八戸DF近石哲平のクリアミスから相手にボールが渡り、藤枝MF谷澤達也がフリーでペナルティエリアに進入。GK花田が倒したと判断された結果だった。61分、大竹隆人のFKは、大竹が八戸MF中村太一に倒されて得たものだった。

ペナルティエリア内でファウルを犯した場合、失点に直結するPKが与えられるのは当然として、2つの直接FKも、ペナルティアーク付近で犯している点が気になる。これは、しっかりと“前から”プレスできていないことが原因だと思われる。61分のシーンは顕著だ。大竹を倒した中村は後ろからボールを奪おうとしてホイッスルが吹かれた。しかし、大竹の前には八戸MF新井山祥智が構えていた。なぜ新井山は大竹にアタックしなかったのか。

61分のシーンは、プレーを選択する上で“紙一重”だったことは確かだ。しかし、藤枝の選手がフリーで前を向いても、八戸の選手は引いて守るだけで、ボールホルダーにアタックをしない。この試合、守備において消極的な選択が多く見られたことは事実だ。

攻撃についても、前節・セレッソ大阪U-23戦いのように、ウイングバック(WB)がサイドに張り、イエローゾーンに進入するプレーがもっとあるべきだった。さらに言えば、ミドルシュートを打つことも必要だ。藤枝戦を含め、ホーム5試合で1分け4敗の未勝利。これが大きなプレッシャーになっているのだろうか。

J3第11節終了時点で17位。八戸はJFL時代、堅守が特長だった。それを取り戻すためにも、スターティングメンバーの入れ替えなど、思い切った変化が必要ではないか。

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