川本梅花 フットボールタクティクス

【試合分析】#香川真司 相手の激しいマークに苦しむ【無料記事】スペイン2部第7節 サラゴサ 0△0 ルゴ

香川真司、相手の激しいマークに苦しむ
LaLiga2 Jornada 7
Real Zaragoza 0△0 CD Lugo
https://www.laliga.com/partido/temporada-2019-2020-laliga-smartbank-real-zaragoza-cd-lugo-7

相手の激しいマークに苦しむ香川真司

9月21日、スペイン2部リーグ第7節が行われた。香川真司が加入するレアル・サラゴサは、ホームスタジアムのエスタディオ・デ・ラ・ロマレーダにおいてルゴと対戦する。サラゴサは「4-4-2」で中盤をダイヤモンド型にしてきた。香川は6試合連続の先発出場となる。

サラゴサは18日に第6節のフエンラブラダ戦を行う予定だった。しかし、フエンラブラダの選手が集団食中毒にあったため試合が延期された。したがって、サラゴサにとっては、ルゴ戦が1週間ぶりの試合となる。試合自体は、サラゴサが主導権を握ってゲームを進めるが、前後半通して決定的な場面を作れないまま終了のホイッスルを聞くことになった。

第5節・エストレマドゥーラ戦において、香川は今季2ゴール目を挙げたので、ルゴ戦も得点を期待されたが、その機会は訪れなかった。ただし、サラゴサというチームは、香川の働きを中心にチームを作って行っているし、対戦する相手チームは、香川への警戒心で溢(あふ)れている。

まず、以下のシステム図を見てもらいたい。サラゴサが「4-4-2」のダイヤモンド型にしているのは、香川をトップ下に置いて、攻撃の選択数を増やしたいからである。バイタルエリアからのスルーパス。あるいは、ペナルティエリアへ侵入するドリブル。ビクトル フェルナンデス監督は、香川に得点に直結するプレーを期待しているから、「4-4-2」のボックス型ではなくトップ下があるダイヤモンド型を採用している。

対戦相手のルゴは、「3-5-2」の3バックを採用する。そうするとトップ下の香川が、ルゴのアンカーのセオアネと対面することになる。それを示しているのが、以下の図である。

アンカーのセオアネは、動く香川に執拗に付いて行く。セオアネのマークを振り切ろうと、香川は味方のセンターバック近くまで下りてボールをもらいに来る。左右のサイドどちらかに香川が移動すれば、ウイングバックが香川を「見る」守備をする。味方のFWを追い越してバイタルに入ると、ルゴのセンターバックが「見る」守備をする。マークが窮屈になってトップ下のポジションに戻ると、セオアネがぴったり付いてくる。完全な香川包囲網が敷かれていた。

おそらくサラゴサと対戦するチームは、香川へのマークを厳しくしてくるだろう。そうした守備に対して、チームとしてどのように対処するのか。また、香川個人がどのように対処してくるのか。そこが今後のサラゴサのキーポイントになるだろう。

香川は、チームの中で味方に信頼させているのが、この試合を見るとよくわかる。FKの場面で、ハビ ロスとどちらがキッカーになるのかを話していて、ロスは香川にキッカーを譲る。CKにおいても、状況によってロスと香川のどちらかがキッカーになっていた。

7年間、ラ・リーガ2部に甘んじているサラゴサ。このチームの救世主として期待されているのが香川真司である。

川本梅花

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