川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】意図する戦術を見極めるには?【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

意図する戦術を見極めるには?

ゴールキーパー(GK)からスタートするビルドアップの場合、ボールがGKに預けられていることが条件になります。GKはルール上、6秒間、ボールを持っていられます。そのためGKは、試合の流れをいったん止めることができる。その間に、味方のフィールドプレーヤーは、それぞれのポジションに戻っていきます。そうすることで、ビルドアップを意図的に開始できるのです。

GKがボールを持っている時、ボールを近くの味方DFにボールを手で転がすのか。あるいは、前線の味方を目掛けてボールを大きく蹴り込むのか。GKの選択を見れば、どういう意図でビルドアップをしようとしているのか、攻撃の第一段階が確認できます。

GKがDFにボールを預けて、ボールを支配しながらミッドフィルダー(MF)がいるハーフウェーラインまでボールを運んでいくチームは、フォワード(FW)が動き出して空いたスペースにMFが入っていく。あるいは、MFがFWにボールを預けて、ワン・ツーでバイタルエリアに侵入していく。こうしたチームは、ポゼッションと人がスペースに動く流動性を意識した戦い方をするチームだと言えます。

GKがDFやMFを飛び越してFW目掛けてキックを蹴るチームは、FWにはフィジカルの強い選手がいる場合が多い。GKから蹴られたボールをキープしようとするFWは、相手DFを背にしています。

そこでボールをキープ、あるいはヘディングで相手に競り勝てば、セカンドボールを味方に預けられます。
ボールを受け取った攻撃側の選手は前を向いているため、ゴールに向けた次のプレーを選択することが容易となり、少ない人数でもゴールに迫ることが可能となります。

GKがどのようにボールを扱うのか。そこに注視しましょう。

川本梅花

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