川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】ディフェンスラインが高いとはどこまでを言うの?【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

ディフェンスラインが高いとはどこまでを言うの?

センターサークルまでボールが運ばれて、そして、ディフェンスライン(DF)が相手側の陣地に侵入したらDFラインが高いと見ていいでしょう。攻撃側がボールを持っている時の局面では、DFラインにいる選手が、これはセンターバック(CB)やサイドバック(SB)やセンターハーフ(CH)の選手のことで、その選手がボールを保持しながらゆっくり攻撃(遅攻)し始めたら、どの高さにラインを敷いてボールを回しているのかを見ます。次に、自陣内のセンターサークルを超えて相手側内のセンターサークルに入ってようならば、かなりラインを高く保っている、と言えます。

DFラインが高くないチームは、フォワード(FW)とDFの距離が離れていると見るので、高い位置でのコンパクトフィールドの形成がされていないチームだと考えられます。ただし、だからと言って、「ラインが高ければいい」とか「ラインが低ければいい」とか、そういうものではありません。試合の状況によって、DFラインを下げざるを得ない場面があります。また、チームが意図的にラインを下げて守備をしている場合もあるのです。

DFラインを上げたり下げたりする指示は、誰によってなされるのでしょうか? これはチーム事情にもよりますが、真ん中の位置から左右を見渡せることから、センターに位置するDFの選手、主にCBの選手がラインの上げ下げをリードすることが多いのです。したがって、DFの選手の適正能力の一つとして、「コーチング能力」が求められます。

たとえば、ラインを下げる時ですが、「相手がロングボールを蹴る瞬間」にラインを下げたりします。4バックシステムのバックラインの場合、前を向きながら後退するバックステップをしながら、約5メートルから10メートル下がると言うトレーニングをやったりします。

DFが「意図的にラインを下げる」という局面があります。相手のFWやミッドフィルダー(MF)に足の速い選手がいる場合は、DFとGKの裏の空間に走り込まれることを避けるために、わざとラインを低くして守ろうとします。さらに、DFラインの裏にロングボールを蹴り込む攻撃戦術を持っているチームの時にも、あえてDFラインを下げて対応します。

もしも、相手側が2度、3度とDFラインの裏にロングボールを蹴ってきたとします。高いラインを無理に保って攻撃しようとするなら、ロングボールが蹴られる度に、ラインを下げないとなりません。そうすると、攻撃のために相手陣内に侵入しているMFとDFの距離が開くことになります。MFはDFがラインを下がるので、その動きに追順して下がっていくとになります。こうした動きを何度も繰り返すと、体力の消耗度が増してしまいます。つまり、攻撃する体力も消費してしまうのです。そうした悪循環を避けるために、ロングボールを裏に蹴ってくるチームに対しては、あえてDFラインを下げて対応するのです。

DFラインを高く保つためには、相手のボールに対して、常にプレッシャーをかけられる距離にいる選手が大事になってきます。では。どのポジションの選手が、プレッシャーをかけに行くのでしょうか?

次回は、そのポジションは誰なのかについて話したいと思います。

川本梅花

 

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