【連載】ポゼッションサッカーをするには素早いボール奪取が必要です／ファーストディフェンダーとプレスバック【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

2019年12月25日 9時00分　
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【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

■ポゼッションサッカーをするには素早いボール奪取が必要です

　／ファーストディフェンダーとプレスバック

攻撃をしている中で、相手にボールを奪われた選手が、どのように対処するのかが大切なことです。もし、あなたが応援しているチームの選手がボールを奪われた後に、腰に両手を添えて天を仰いでいたらどう思いますか。あるいは、ボールを奪われても、何も反応しないで歩いていたら、どうでしょうか。残念な気持ちになりますよね。でも、相手にとっては、そんな選手の対応はありがたいことで、一気にカウンターを仕掛けられるチャンスが巡ってくるからです。なぜならば、ボールを奪われたチームの選手が1人でも、プレーに参加シナでサボっているのですから、数的優位な局面を作るチャンスになります。

試合を見る側にとって、攻撃から守備への局面、守備から攻撃への局面への境界の瞬間は、「ボールを奪われる」と「ボールを奪う」の後のプレーに関わってくるのです。相手にボールを奪われた後でどんなアクションを起こしているのか。あるいは、相手からボールを奪った後でどんなアクションを起こしているのか。ここが、「局面への境界の瞬間」と言えます。

後方から前線の選手に出したパスが、インターセプトというパスカットを相手選手にされました。攻撃していたら相手に遮断されて守備をすることになります。これが、攻撃から守備への局面に変わった時です。ボールを奪われたチームは、攻撃から一転して守備をしないとなりません。ボールを奪った相手の選手に最初にプレッシングをかける選手をファーストディフェンダーと言います。このファーストディフェンダーは、ボールを奪った選手と近い距離にいて、前向きでボールホルダーを視界に入れられる位置にいる選手でなければなりません。つまり、近くにいて前を向いてボールにアクションできる選手ということになります。

ファーストディフェンダーの役割は、ボールを持っている相手選手が、前線に縦パスやサイドへのパスを出させないことです。要するに、前方へのパスコースを切って、横パスかバックパスを出させる態勢を取らせなければなりません。そして、ボールを奪われた選手は、素早く戻ってボールを奪った相手選手からボールを奪い返すほど圧力をかけに行くのです。こうした彼のプレーを、「プレスバック」と言います。ボールポゼッションを志向しているチームは、ファーストディフェンダーの的確なプレッシングと、ボールを奪われた選手のプレスバックが大切になります。ポゼッションサッカーをするには、ボールを奪った相手から素早くボールを奪い返すことが必要になります。

川本梅花