川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】攻撃を見る際のチェックポイント①ー「ボールを持っている選手の周りを見る」【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

攻撃を見る際のチェックポイント①ー「ボールを持っている選手の周りを見る」

これまでこのコラムで書いてきた基本的な部分を少しだけ振り返ってみましょう。攻撃を見る際の基本的なチェックポイントは2つあります。1番目は、「ボールを持っている選手の周りを見る」です。

試合を見ていて、「この試合はなんだか停滞しているな」と感じた時には、おおよその場合、選手の動きがなかったり、パスコースがなくディフェンダー(DF)にバックパスをする回数が多かったりするからです。どうしてこうした現象が起こるのかと言えば、ボールを持っている選手の周りにいる選手が動いていないケースがあるのです。動いていないとは、正確にはパスを受けやすい場所にいないということです。

「足が止まる」とよく言いますが、時間が終了間近で疲労が溜まって動けなくなったり、ボールをもらうのを怖がって受けに行かなかったりと、理由はいくつもあります。問題なのは、1人の選手の動きが停滞すると、その影響は選手全員に浸透してしまう可能性があるということです。実はこれは、試合の中でしばしば見かけたりする現象です。究極的にサッカーは1人でやれるスポーツではないので、1人の選手の動向が、味方のピッチ全体に影響を及ぼす場合もあるということです。

逆に、1人の選手のアグレッシブな動きによって、停滞していた全員の動きが活性化するケースもあります。試合途中で出場した選手が、積極的なドリブルを仕掛けて状況を打開する場面を目撃したことは、実際に何度もあります。

試合を見ていて、ボールを持っている選手の周りを見る」ことで、アクションを起こしている選手がいるのかどうかは、大きなポイントになります。時に、試合の後半に入って時間が経過していく時に、みんなが疲れていても、あえてパスを受けられるポジショニングを取れる選手は、注目すべき選手なのです。

ここで述べたアクションとは、パスコースを増やす動きができるのかどうか、という意味で使っています。では、パスコースを増やす動きとは、いったいどんな動きのことなのでしょうか。

川本梅花

 

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