川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】アーリークロスってどんなクロスなの?【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

アーリークロスってどんなクロスなの?

アーリークロスのアーリーは、英語の(early)を用いているので、直訳すると「早いクロス」になります。具体的には、ボールを持った選手が、エンドライン近くまで進まないで、早い段階で球足の速いボールをペナルティエリアに入れるクロスのことです。早い段階がどの場所を指すのかと言えば、ペナルティアークの先端をサイドラインに引いた場所と言えばわかるでしょうか。

アーリークロスの狙う場所は、ディフェンダー(DF)とゴールキーパー(GK)の間のスペースになります。なぜ、早い段階でこのスペースにボールを入れるのが有効なのでしょうか? それは、DFがゴール方向に下がりながら守備をするからです。その際に、DFは3つの「なになにしながら」を行わないとならないのです。

DFは「ボールを見ながら」「ゴールに下がりながら」「相手を見ながら」守備をするのです。こうした3つのチェックをしながら守備をするので、当然、相手選手へのマークが難しくなります。

攻撃する方の理想としては、ニアサイド(ボールから近いサイド)とファーサイド(ボールから遠いサイド)に2人、もしくは3人で入り込めれば、相手のマークは拡散して得点のチャンスが増えます。また、クロスは「速いボール」でないと、GKにクリアされやすくなります。

余談ですが、クロスとセンタリングは、同じ意味の用語です。使い方には、決まりがありませんが、アナウンサーなどは、早い段階でのボールを入れるのを「クロス」と呼んで、多少深く敵陣に入り込んでから入れるボールを「センタリング」と呼んでいるようです。また、蹴り込む角度によって呼び名が違うと主張する人もいます。

川本梅花

 

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