川本梅花 フットボールタクティクス

【プレビュー】無敗の秋田を攻略するための4つのポイント【無料記事】J3第24節 #ブラウブリッツ秋田 対 #ヴァンラーレ八戸

【プレビュー】無敗の秋田を攻略するための4つのポイント

無敗の秋田を攻略するための4つのポイント

明治安田生命J3リーグ第24節、ブラウブリッツ秋田対ヴァンラーレ八戸の試合が、10月31日にソユースタジアムで13時に行われます。東北ダービーと謳われる対決は、両チームにとってとても重要な試合になります。16勝7分で勝ち点55の首位秋田に、初めて黒星をつけられるのは、八戸だろうと思うからです。

その理由は、前節の第23節で鹿児島ユナイテッドFCに1-0で勝利したことで、葛野サッカーの萌芽が再び芽を出してきたことです。前半は相手を無失点で封じ込めて、もし1-0で折り返したなら、その状況を死守して試合を終える。仮に、前半0-0であったなら、後半にスパートかける。試合が終われば、たとえゲームを相手に支配されても1-0で勝利する。そのために、選手は意志を統一してハードワークする。これが、葛野サッカーの基本テーゼです。

秋田対八戸戦のポイントは、23試合で7失点の秋田からどうやって得点を奪うかにあります。秋田が対戦した前節のアスルクラロ沼津の試合の中に、秋田攻略のポイントがありました。

秋田のシステムは、「4-4-2」で中盤がボックス型です。八戸は、「3-4-2-1」の3 バックで臨みます。ここまでのデーターを見れば、23試合7失点の秋田と40失点の八戸。明らかに数字には開きがあります。でも、この失点の差は、葛野コーチの下で相当に改善されているので、フラットな視点で見た方がいいでしょう。今季の始まりの八戸のチームと、現在の八戸のチームでは、戦術的にも戦略的にもまったく違うチームだと考えていい。おそらく、秋田の吉田謙監督も同じように考えて挑んでくるでしょう。

秋田の守備力は、きちんと整備された「4-4-2」のゾーディフェンスのシステムにあります。守備の際は、サイドバック(SB)2人とセンターバック(CB)2人の最終ライン4人とサイドハーフ(SH)2人とセンターハーフ(CH)2人の中盤4人が、2ラインを作ります。2ラインの間の距離(ギャップ)を狭めて相手の攻撃を防ぎます。ゾーンディフェンスの鉄則である「サイドは捨てろ」を実践して、ボールサイドへの選手のスライドが早く、相手にスキを与えません。

CBの千田海人と韓浩康は身長が185cm以上あって、サイドからのクロスにおいて、相手選手よりも身体を先に入れてクリアする場面が何度もありました。したがって、サイドからのクロスは有効にならないのか、と言えばそうでもありません。最終ラインと並行からのセンタリングには、2人のCBは高さを見せます。沼津は、このCBに対して、早めにクロスを上げるようにしていました。アーリークロスを何度も試みて、クロスで勝負がつかなくても、セカンドボールでチャンスを作っていました。

また、沼津のミッドフィルダー(MF)普光院誠が、中央からペナルティエリアのサイドに切り込んで相手のブロックを崩して、味方にボールを繋いで、マイナスからのクロスを入れる。そうしたやり方も有効になっていました。また、中央からのロングシュートやミドルシュートで得点を奪われるケースもあります。

攻撃についてですが、秋田の攻撃はとてもシンプルです。フォワード(FW)の中村亮太と齋藤恵太が攻撃の柱になります。後方でボールを奪ったら、ロングボールを相手DFの背後に蹴って、齋藤がそのボールに走り込む。絶対的なエースの存在はないのですが、選手全員で得点に絡んでいく攻撃力があります。

両チームのシステムを組みわせた時に、八戸のウイングバック(WB)が大きな鍵になります。おそらくスタメンで起用される右の國分将と左の黒石貴哉が高い位置をとり、ピッチを広くとってワイドにポジショニングして攻撃していければ、相手のゾーンを崩すことができます。彼ら2人の動きに注目しましょう。

秋田攻略のポイントは以下になります。

□早い段階でのアーリークロスを多用する。

□中央からのサイドに切り込んでマイナスのクロスをペナルティエリアの中に入れる。

□センタリングをクリアされたら、セカンドボールを拾って展開する。

□ロングシュートやミドルシュートを狙う。

□両WBの働きに注目。

八戸が得点を奪うには、秋田の守備陣が定位置に着く前に、攻撃を仕掛けることです。

以上が、秋田攻略のポイントになります。

川本梅花

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ