川本梅花 フットボールタクティクス

【サッカー観戦術/ゲームの流れ】試合がみられるようになる視点(2)-「パスコースを作る動きがあるのか」と「縦パスが出されているのか」の2つの点

【サッカー観戦術/ゲームの流れ】

試合がみられるようになる視点(2)-「パスコースを作る動きがあるのか」と「縦パスが出されているのか」の2つの点

試合中にピッチで何が起こっているのかを知るための基本的な「視点」が存在します。

「どうやって攻撃をしているのか」

「どうして失点してしまったのか」

「なぜパスが繋がらないのか」

「なぜ得点チャンスを作れないのか」

「試合の流れが変わったのはどうしてか」

試合を見ていて、いくつかの疑問が出てきます。その疑問を解決するために、基本的な「視点」を押さえておくことが大切です。分からなくなったら基本に帰ることが必要です。まず、攻撃について見ていきましょう。

「パスコースを作る動きがあるのか」と「縦パスが出されているのか」の2つの点

前回のコラムの続きです。

どうしたやり方をすれば、ボールを保持して数的優位を作れて、ゴールに結びつくのでしょうか?

基本的に、2つの点に注視する必要があります。

1.パスコースを作る動きがあるのか。

2.縦パスが出されているのか。

ボールを保持して攻める意図と目的は、「数的優位」を作って「ゴールを奪う」ことにあります。ポゼッションの保持率がいくら高くても、それがゴールに結びつかなければ意味がありません。ボールが回っていてもゴールにならないのには、なんらかの原因があるからです。その原因の一つに、「パスコースを作る動きがあるのか」が関わってきます。

パスが繋がるかどうかは、パスを出す選手の技術の問題だけではありません。パスを受ける味方へパスが通るような道筋をきちんと周囲の選手が作れているかどうかに関係しています。パスコースは、作られないと生まれないのです。

ボールをただただ回しているだけでは、数的優位を作ることができません。ボールをゆっくりと回して、ある時点で、スピードアップすることで数的優位を作るためのスイッチを入れることができます。そのスイッチの一つが「縦パスが出されているのか」になります。フォワードなどのターゲットマンにパスを通すことは、相手ゴールに一番近くにいる選手にパスを通すことになります。相手のゴールの前にはディフェンダーが構えています。ターゲットマンは、相手ディフェンダーを背負っているポジションをとります。そのターゲットマンに縦パスが通れば、相手ディフェンダーはプレッシャーをかけにきます。つまり、相手の守備陣形を崩すきっかけを作れるのです。

縦パスがターゲットマンに通ることを「攻撃のスイッチが入る」と言います。縦パスが一本通ることで、ゆっくりしたパス回しから、スピードをアップしたパス交換になっていき、相手を揺さぶって数的優位を作れるのです。

川本梅花

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