【連載】監督のタイプの見分け方 -戦術タイプとマネージメントタイプで分類する-【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】
【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】
■監督のタイプの見分け方 -戦術型とマネージメント型で分類する-
監督のタイプには、戦術系とマネージメント系で分類できます。戦術系には、戦略タイプと調整タイプの2つがあります。
戦術系
① 戦略タイプ 監督自身が明確な戦い方のスタイルを持っていて、それをチームに植えつけていくタイプ。守り方から攻め方におけるまで、またはビルドアップ時のボールの運び方までやり方を細かく落とし込む。
戦略タイプの監督は、自分の考えた戦い方を実現するために、それが実行できる選手を起用するので、選手の固定化を招きやすい面と、逆に、監督のスタイルに合うようにプレーを変えた選手ならば起用されるので、選手間の刺激を与えられることになる。
② 調整タイプ 所属するクラブにいる選手の能力や質を考えて、それに見合った戦術を実行していくタイプ。監督の理想の戦い方はひとまず置いておいても、チームの総力アップのための最善策を優先する。
調整タイプの監督は、選手の質を重視した戦い方になるため、選手の個性が発揮できるポジションにその選手を起用することが多くなる。そのために、中心選手に「自由にプレーしてもいいよ」と自由度を与えた結果、一人の選手への依存度が高くなってしまうことがある。
マネージメント系は、変化タイプと固定タイプに分けられます。
① 変化タイプ スタメンを固定しないで、チャンスがあるから誰でも試合に出られると言って刺激を与えるタイプ。
たとえ、名前が知られる選手でも容赦なく交代させていく。選手には、競争意識と緊張感を持たせられる。
② 固定タイプ メンバーを変えないで、いつも同じ顔ぶれで試合に使って、サブメンバーにおいても同じような起用をする。同じメンバーで戦えば、コンビネーションは高まっていく。だが、選手競争が活性化させなと、モチベーションの低下につながる。
図式化すれば以下のように4つのタイプに区分できます。これらのタイプのいずれかには、監督のタイプは当てはまります。
1. 戦略タイプで固定タイプ
戦術がはっきりしていて決まった選手を起用する
2.戦略タイプで変化タイプ
戦術がはっきりしていて選手間の競争意識を高めていく。
3.調整タイプで固定タイプ
選手の質やチーム事情で戦い方を決めて選手は固定して戦う。
4.調整タイプで変化タイプ
選手の質やチーム事情で戦い方を決めて選手間の競争意識を高めていく。
川本梅花