川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】試合開始前に、知っておくべき4つの情報(その参)【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

試合開始前に、知っておくべき4つの情報(その参)

3)の「気候について気温はどれくらいで湿度はどうなのか」ですが、「気温」と「湿度」の両方が高い環境で試合すると、選手の運動量がガタンと落ちて、プレーに差し支えが生じます。では、安定したプレーができる気温は何度でしょうか?

1)試合の目的は勝ち点3か、それとも引き分けでもOKなのか。

2)天気が晴れなのか雨なのか、風はどれくらい強いのか。

3)気候について気温はどれくらいで湿度はどうなのか。

4)ピッチの状態はどうなっているのか。

目安となる気温は、25度だと考えられています。25度以上だとプレーしていて体感温度が高くなって、呼吸するのも大変で、厳しい環境の中でのプレーを要求されます。気温が高くても湿気が少ない環境であれば、試合中に水分を十分補給することで、汗をかいた身体を冷やすことも可能になります。それでも、ベストな環境とは言えませんね。もっともやっかいなのは、気温が高くて湿度も高い環境です。もうこれは、過酷そのものな環境です。なぜならば、汗をかいても蒸発しないから体温調整ができないのです。

気候が影響を及ぼした試合は、そのチームの戦い方をも変えるのです。たとえば、前線からハイプレスをやっていたチームは、高温多湿だととても最後まで試合ができないので、相手がボールをもったらすぐに引いて陣形を整えるリトリート戦術に変更したりします。ブラジルやメキシコの北部地方での試合は、気候に左右される典型的な例になります。

Jリーグでも気温が高くて湿度が多い日の試合は、選手の運動量が減る中でのプレーだと考えて試合を見れば、選手に対する見方も変わってくるかもしれません。

川本梅花

 

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