【サッカー観戦術/ポジションの役割】センターバックにおけるスイーパーとリベロの役割

2021年09月01日 9時00分　
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【サッカー観戦術/ポジションの役割】

■センターバックにおけるスイーパーとリベロの役割

■ディフェンダー(DefenseまたはDefender=DF)

●スイーパー（Sweeper=SW）

スイーパー（Sweeper）は、「掃除をする人」の意味です。システムが4バックの場合、センターバック(CB)が2人になります。その中で2人が縦の関係になって守備をして、後ろにいる1人のディフェンダー(DF)をスイーパーと呼びます。マンツーマンディフェンスが主流だった時代、マークする相手選手を持たないで、味方のDFが相手に抜かれた際に、カバーリングして攻撃を防ぐ役割をしました。しかし、ゾーンディフェンスが主流になった近現代の4バックでは、スイーパーの役割を担うポジションがなくなってしまったのです。

では、スイーパーの役割を担うポジションがまったくなくなったのかと言えば、そんなことはありません。3バックの中央に位置するポジションをスイーパーと呼んでもいいと筆者は考えています。両脇にストッパー(SP)を従えて、その後方の真ん中に位置して、カバーリングに専念するだけではなく、組み立ての際の起点になったり、DFラインの調整を行い、前線にロングボールを入れる役割を担います。

相手チームがフォワード(FW)を二人にしてきた場合、その2トップの守備に有効なのが3バックで守ることです。3バックシステムが進化していけば、もっと新しいスイーパーの存在が誕生するかもしれません。足元の技術が優れた中盤の選手が、3バックのスイーパーとして起用されはじめてはいます。

●リベロ（Libero=LB）

リベロ（Libero）は「自由な人」の意味です。Libero自体の語はイタリア語です。スイーパーから派生したポジションだと認識されています。なぜなら、戦術の発展によって、カバーリング専門だったスイーパーのポジションにいろいろな仕事が増えてきたからです。攻撃の起点となってビルドアップの出発点となったスイーパーの呼び名は、仕事の内容と一致しなくなります。リベロの「自由な人」とは、守備だけでなく攻撃にも参加する自由な人の意味内容から取られています。

さらに、4バックの場合、ビルドアップの際にDFの前にいるセンターハーフ(CH)が、2人のCBの間に降りてきて組み立ての仕事に参加するなど、リベロの役割をCHが担うようになったこと関係して、リベロと呼ばれる機会はほとんどなくなっています。

〈了〉