【サッカー観戦術/ゲームの流れ】サイドバックに求められる3つの特性と「偽りのサイドバック」について
【サッカー観戦術/ポジションの役割】
■サイドバックに求められる3つの特性と「偽りのサイドバック」について
■サイドバック(Side Back=SB)
4バックシステムの際に、2人のCBの両脇でポジショニングします。守備時は、相手のサイドのプレーヤーに対応するだけではなく、攻撃時には前線まで上がってクロスを上げる場合もあります。SBの特性として、以下の3つが挙げられます。
1.スピード能力
2.カバーリング能力
3.組み立て能力
1のスピードですが、SBに必要不可欠な能力です。攻撃時には味方の選手を追い越してサイドを駆け上がり、もしもボールを相手に奪われたら素早く自陣に戻って守備に当たらなければなりません。近現代のサイドハーフやSBの選手は、スピードがある選手が多いために、スピードがないSBの起用は考えられない現状です。
2のカバーリング能力は、4バックシステムの場合、ディフェンダー同士はお互いにカバーし合うことが前提になっているシステムです。そのために、逆サイドにボールがある時は絞って中央にスライドして守備をしなければなりません。味方の選手と声を掛け合って連携をとるために、コーチング能力も必要とされます。
3の組み立て能力は、SBのポジションにとっては、相手のシステムにもよりますが、フリーでボールを受け取れるチャンスがあるポジションです。したがって、ビルドアップの際は、ゴールキーパーやCBからボールが回ってくる機会が多くなります。正確で適切なパス能力が求められます。また、前線に駆け上がって相手SBを置き去りにしてセンタリングを上げるなど、攻撃的な能力も不可欠です。
基本的には、以上の3つの能力が求められるポジションですが、近現代サッカーにおいてのSBのポジショニングは注目にあたいします。「偽りのサイドバック」と呼ばれる、新しい役割があります。守備時は通常のSBの位置に入るのですが、ビルドアップの局面では、センターハーフの横にポジショニングして攻撃参加に加わります。このやり方を最初に筆者が見たのは、マンチェスター・シティのジョゼップ グアルディオラ監督が、ドイツのバイエルン・ミュンヘンで指揮を執っていた時に採用していました。