川本梅花 フットボールタクティクス

【サッカー観戦術/ポジションの役割】「くさび」のパスってなんですか?

【サッカー観戦術/ポジションの役割】

「くさび」のパスってなんですか?

「くさび」を漢字にすると「楔」になります。建築などの工事で使われるV字や三角形の工具を「くさび(楔)」と言います。

V字や三角形のこの工具は、木材の隙間に打ち込で材料を固定する道具の一つです。「くさび」の用途目的は、木材の「隙間に打ち込む」ことです。これをサッカーに用いると「相手選手の隙間に打ち込むパス」になります。「くさびのパス」と言った時は、「グラウンダー」の「縦パス」を「足下」に出すパスだと認識して間違いありません。

以下の状況をイメージしてみてください。

1.「くさび」のパスを受ける選手=相手ディフェンダー(DF)を背負ったフォワード(FW)

2.「くさび」のパスを出す選手=目の前に相手選手が数人いるMF

3.「くさび」のパスを受けたFWからパスをもらう選手=FWの横に位置する選手

「くさび」のパスを受ける選手は、ディフェンダーを背負っています。また、「くさび」のパスを出す選手の前には、何人か相手選手がいます。そうした相手選手の隙間をぬってパスが出されます。相手選手はボールの方に目が行き、本来マークする選手から離れてケアしようとします。その時に、「くさび」のパスを受けた選手が、マークから外れた味方の選手にパスを送ります。

「くさび」のパスは、ビルドアップの際に役立つパスです。ボールを前に進めようとした時に、相手選手がビルドアップを阻止しようと数人で囲いにきます。そうした状況でボールを前に運びたい時に「くさび」のパスが役立ちます。「くさび」のパスが入ると、相手はボールに注目します。相手はマークしている選手から目が外れてフリーになれます。その時に「くさび」のパスを受けた選手からパスをもらってボールを前に進めることができます。

〈了〉

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