川本梅花 フットボールタクティクス

【サッカー観戦術/セットプレー】FKの際の攻防を見てみよう ーボールの質ー

【サッカー観戦術/セットプレー】

FKの際の攻防を見てみよう ーボールの質ー

FKの際の攻防を見るポイントとして、「ボールの質」があります。

●「ボールの質」

どのような強さと弾道でボールを蹴るのか。これは、セットされたボールの位置によって変わってきます。たとえば、ゴール正面のペナルティエリア手前にボールがセットされていたとします。この場合には、セットされた場所がゴールに近いので、強いボールを蹴ると、壁を越してゴールの枠に入らずにゴールバーの上を通過してしまう可能性があります。つまり、強さを抑えてコースを狙ったキックになります。

次に、ペナルティエリア近くではなく、少し余裕がある離れた場所からのキックだとします。この場合は、蹴ったボールが落ちて行く余裕があるので、壁を越してもゴールの枠に入る可能性が出てきます。しかし逆に、弱いボールを蹴ったならGKにたやすくキャッチされますし、意識して速いボールを蹴ったなら、壁にボールが当たって弾き返されるケースも見かけます。

ゴールから遠目のセッティングの場合、キッカーにとっては、無回転などバリエーションに富んだキックを選択できます。ボールに当たるインパクトを強くして無回転でブレるキックや縦回転で落ちていくキックが蹴られます。キッカーは、GKがキャッチしずらいズレをもたらすボールを蹴ることを目指します。もし、GKがキャッチングできなかった場合、ファンブルしたところに味方が寄せてゴールを奪うことができます。したがって、キッカーは、ボールを蹴る際に、GKとのズレをいかに作り出すのかに集中しているのです。

〈了〉

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