川本梅花 フットボールタクティクス

【無料記事】ポジション編 ディフェンダー(1)「これを知っていれば大丈夫!」【初心者向け】

ディフェンダーの役割と6つのポジション名

近現代サッカーにおいてディフェンダー(DF)の仕事量は多くなった。ビルドアップの際の組み立て能力や攻撃的な能力も求められる。したがって、ビルドアップに関しては足下の技術が前線の選手同様に巧さを期待される。また、キック力も必要とされて、カウンター攻撃の際には正確なキックが要求される。しかし、ディフェンダーの一番の能力は相手のボールを奪えることである。

ディフェンダーの中のポジション名を挙げると、センターバック(CB)、サイドバック(SB)、スイーパー(SW)、リベロ(LB)、ストッパー(SP)、ウイングバック(WB)がある。システムによってそれぞれのポジション名が与えられる。センターバックとサイドバック、スイーパーを記すのに4バックシステムの「4-4-2」を使う。リベロ、ストッパー、ウイングバックを記すのに「3-5-2」を採用する。

省略記号一覧

⚫︎センターバック(CB)

ディフェンスラインの中央に位置するディフェンダー。相手フォワードへの対応だけでなくディフェンスの中心となってディフェンスラインの調整を行う。センターバックに求められる能力としては主に3つが挙げられる。

1対1の強さ

相手フォワードによるドリブル突破やゴール前への飛び込みに対して、ボールを奪ったりシュートを打たせない対応が求められる。また、クロスボールへの競り合いに強くないとならないので「高さ」も必要とされる。

カバーリング能力

センターバック同士やサイドバックと連携してカバーリングを行う。特に、サイドバックの背後のスペースが狙われるので、その場所をケアする必要がある。さらに、周囲に指示を出すコーチング能力も重視される。

組み立て能力

攻撃時には起点となって攻撃の組み立てる必要がある。相手選手の間を通す縦パスやフォワードへのロングパスなどのキックの精度と、後方から状況を見極められる視野の広さは不可欠となっている。

⚫︎サイドバック(SB)

センターバックの両脇に位置するポジション。サイドのスペースに侵入してくる相手選手に対応する守備時の役割がある。さらに、攻撃時には前線まで上がってクロスを上げる。サイドバックに求められる能力としては主に3つが挙げられる。

スピード

サイドバックに必要不可欠な能力はスピードである。攻撃時には味方選手を追い越して相手陣内の高い位置まで侵入する。ボールを奪われたなら素早く自陣に戻らないとならない。対面する相手のサイドの選手はスピードある選手を起用される場合があるので、それらに対応するためにもスピードは必須の能力である。

カバーリング能力

4バックシステムは、ディフェンダー4人でお互いに協力し合って守らないとならないシステムなので、ボールが逆サイドにある時は中央に絞ってセンターバックのカバーをする必要がある。味方と声を出し合って連携をとるtめにコーチング能力も求められる。

組み立て能力

センターバック以上に重要になるのが組み立て能力である。ゴールキーパーからボールを繋いで組み立てする際に、サイドバックはサイドラインに張ってポジショニングする際にフリーでボールを受けられる機会が生まれる。その時に視野を広く持って正確なパスを送り出さないとならない。さらに、対面する相手選手をドリブルで抜き去り正確なクロスを上げるスキルも求められる。

⚫︎スイーパー(SW)

センターバックやサイドバックの後方に位置する守備の要、したがって、守備のラインの後ろで1人余れる。スイーパーは基本的に特定のマークを持たないので、常にカバーリングに専念できる。近現代サッカーにおいて、スイーパーシステムよりも、4バックのラインシステムを採用するチームがほとんである。ボールのある場所によってお互いにカバーし合うシステムがラインシステムである。あえて1人を余らせたスイーパーシステムを採用するチームを見かけなくなった。

ポジション編 ディフェンダー(2)に続く。

川本 梅花

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