サッカー番長 杉山茂樹が行く

西川対東口。槙野対昌子。三浦対植田。長友対車屋。日本代表レースを探る(1)GK、DF編

GK 西川対東口。3枠を巡る争いは中村航輔の台頭で混沌

従来のスタメンである川島永嗣(メス)の優位は動きそうもない。所属チームは現在フランスリーグ最下位。しかし、川島はそこで順調に先発出場を重ねている。試合勘はある。33歳という年齢も、経験がものを言うGKにとって、ハンディにはならない。

注目は2番手争い。従来のプライオリティに従えば、西川周作(浦和)がクラブW杯出場のためにE1東アジア選手権を欠場するなら、そのスタメンの座は東口順昭(G大阪)で決まりのはずだった。ところが、そこで3試合中2試合に先発したのは若手の中村航輔(柏)だった。東口の出場は1試合に終わり、もう1人選ばれていた権田修一(鳥栖)は、中村台頭の煽りを受け出場機会を失った。

中村は初戦の北朝鮮戦で、決定的なシュートをセーブするなど活躍。しかし、その余勢を駆る形で起用された3戦目の対韓国戦では4点を奪われ哀れな姿を曝け出した。評価は上がったのか下がったのか。西川、東口を越えたのか否か。

とはいえ、W杯本大会の最終メンバー23人の中には残るだろう。30歳を越すGKばかりを3人選ぶわけにはいかないからだ。若手を1人入れておかないとバランスは取れない。今後につながらない。この常識的な考えが適用されるなら、ライバル関係が成立するのは西川対東口になる。

とはいえ、世界との差に最も開きがあるのがこのGKのポジションだ。W杯本大会で番狂わせを起こすためには、前回ブラジル大会のケイロル・ナバス(コスタリカ)のように、超人的なセーブを何本も決める必要があるのだが。

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