選手は今回も国民を勇気づける役を課せられるのか。その感染リスクを心配する
写真:Shigeki SUGIYAMA
39県で緊急事態宣言が解除された。残る8都道府県も21日を目処に再度判断されるとの話。それに伴いJリーグも、新たに感染防止のガイドラインを公表した。この流れに準じる構えを見せている。再開の足音は確実に近づいている。だがJリーグの再開を、ファンはどれほど待ち望んでいるだろうか。
スポーツはいま、16日に再開されたブンデスリーガを除き、依然として全世界的にほぼ休止の状態だ。サッカーファンを含むスポーツファンは、およそ2ヶ月間、現地観戦はもちろん、お茶の間観戦さえ敵わぬ状況にある。
「スポーツがない世界は辛い」。「スポーツを見ないと元気が湧いてこない」という声をよく耳にする。人間生活において、スポーツが欠かすことができない貴いものであると、この間に多くの人が再認識した。しかし、だからといって、いま再開と言われても手放しで喜ぶ人はどれほどいるだろうか。普段、濃厚接触を避けてくださいと言われている市井の人が、選手たちのそれに逆らうような接触プレーを見て何を思うか。
たとえば、コーナーキック時のゴール前は、選手が密集する。アウトドアであったとしても、付近には「飛沫」が浮遊しまくることになる。GKが勇敢に飛び出せばリスクはさらに高まる。
競り合いはあらゆるシーンで発生する。相手から厳しいマークを受けることは濃厚接触を意味する。選手たちは好むと好まざるとにかかわらず、そうした状態に追い込まれる。プレーに励むほどリスクは増す。視聴者はそれを見て、勇気をもらうことはできるだろうか。元気づけられることはあるだろうか。
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