サッカー番長 杉山茂樹が行く

欧州一に輝いたバイエルンのサッカーからメッシの居場所を考える

写真:Shigeki SUGIYAMA

2019-20シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は、バイエルンの優勝で幕を閉じた。パリ・サンジェルマン(PSG)と対戦した決勝戦。スコアは1-0で、バイエルンが準々決勝でバルセロナに8-2で大勝した試合とは異なり、何かを語るにはインパクトに欠けるスコアだ。

実際、PSGが前半に掴んだ好機をモノにしていれば、結果はどうなっていたか分からなかった。とはいえ、総合的に振り返れば、妥当な結果と言える。10回戦えば、バイエルンの7勝3敗、あるいは5勝2敗3分けとか、そんな結果に終わるのではないか。

もともと財力のあるバイエルンに対して、PSGはオーナーの財力でのし上がった金満クラブだ。予算的には比肩する関係にある。陣容でもバイエルンが特段、上回っている感じではない。ネイマール、ディ・マリア、キリアン・ムバッペが並ぶ前線の3トップは、レバンドフスキー、コマン、ニャブリが並ぶバイエルンの3トップを凌ぐのではないかと思わせる充実ぶりだ。

お互い3FWの編成である。PSGは4-3-3。バイエルンは4-2-3-1だ。しかし、バイエルンが最後まで3FWのスタイルを維持したのに対し、PSGは試合が進行するに従い、形を崩していった。

UEFAのHP内にある「テクニカル・ラインナップ」という項を眺めると、それぞれの違いはハッキリする。

それはフィールドプレーヤー10人が動いた、平均的なポジションを記した実際のフォーメーション図だ。

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