サッカー番長 杉山茂樹が行く

久保建英は他のウイングとどこが違うのか。いっそう評価を上げるために必要なものは

写真:Shigeki SUGIYAMA

久保建英は、開幕2戦目のエイバル戦、3戦目のバルセロナ戦で、サムエル・チュクエーゼと交代で右ウイングの位置に入った。

内(真ん中)に切れ込み、あわよくば左足でシュートを狙うか、タテに進出し、折り返しを狙うか。「左利きの右ウイング」が選択するプレーは、大きく分けて2つある。

どちらかが苦手なら、プレーはどちらかに偏るものだが、久保はそれぞれを均等にこなす。つまり進行方向に偏りがない。対峙するマーカー(左SB)にとって、これは厄介な特徴だ。希少な選手と言いたくなる所以である。

エイバル戦では、タッチライン際をタテに、マーカーをかわしながら進み、さらにゴールラインをえぐるようなドリブルを披露。一方、続くバルサ戦では、内に入る動きから左足でバルサGKネトを泳がすシュートを放った。少ない出場時間内で、タイプの異なる高級なプレーを見せたわけだ。

内に切れ込むプレーとタテに進むプレー。左利きの右ウイングにとって、難易度が高いのは、後者だ。久保のマークに付いていたエイバルの左SBケビン・ロドリゲスが、どの瞬間に、久保にタイミングをずらされたかと言えば、久保が後ろ足(左足)でボールを前に押し出すように運んだ瞬間だった。このワンドリブル、ワンタッチで、置いて行かれることになった。

左利きの右ウイングで、後ろ足で押し出すようにボールを運ぶこのドリブルを得意にしている代表的な選手と言えば、モハメド・サラー(リバプール)になる。その瞬間を狙いながら、ドリブルしている。

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