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スズキカップ2020-今日はいよいよベトナム戦-新型コロナ陽性反応者続出のマレーシア代表は代替招集申請検討もベトナム代表監督はこれを非難

本日12月12日午後8時30分(シンガポール時間、日本時間午後7時30分)より、スズキカップ2020グループステージB組では注目の試合となるマレーシア代表対ベトナム代表戦が行われます。今大会は両チームともここまでいずれもカンボジアとラオスを相手に2戦2勝しており、この試合の勝者は準決勝進出に近づきます。

FIFAランキングが東南アジア最高位の99位のベトナムに対し、アンダードックとして挑む同154位のマレーシアですが直近の対戦成績は引き分けを挟んで5連敗中で、最後のベトナム戦勝利は2014年のスズキカップまで遡らなければなりません。特にパク・ハンソ監督がベトナム代表監督に就任した2017年以降はスズキカップ前回大会の2018年12月11日の決勝第1戦でホームのブキジャリル国立競技場で2-2と引き分けた以外は4戦4敗と言う対戦成績です。

サッカーは何が起こるかわからないとはいえ、数字的にはどう見てもマレーシアには勝ち目はありませんが、それに追い討ちをかけるかのようにこのスズキカップ2020が開幕して以来、マレーシア代表からは4名の新型コロナ陽性反応者が出て、現在はチームから隔離されています。そんな中、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、スズキカップ2020を主催する東南アジアサッカー連盟AFFに対し、陽性反応を示している4選手に代わる選手の登録を求める申請を検討している述べていますが、これに対してベトナムのパク監督はそのような申請は認められるべきでないと述べています。

スズキカップ2020の規定では、参加チームは最大で30名の予備登録が可能で、最終登録された24名は自チームの初戦開始前までなら予備登録された選手との入れ替えが可能となっていました。当然のことながら大半のチームは限度枠最大の30名を予備登録しましたが、なぜかマレーシアは24名しか登録しておらず、初戦となるカンボジア戦の前にGKカイルルアズハン・カリドとFWファイサル・ハリムの両選手が入国時の新型コロナ検査で陽性反応を示し、初戦を前に10日間の隔離となりましたが、24名しか登録していないマレーシア代表入れ替える選手がおらず。この時点で出場可能な選手は21名となりました。(最終登録24名の内の1人のディオン・クールズはグループステージ最終戦のインドネシア戦前にチームに合流予定でいた。)

それでも初戦のカンボジア戦を3-1と快勝したマレーシア代表でしたが、2戦目のラオス戦前の検査で今度はカンボジア戦のMOM、FWアキヤ・ラシドとDFクェンティン・チェンが陽性反応を示して10日間の隔離となり、出場可能な選手はさらに減って19名となりました。またカンボジア戦で腹部を痛めたDFジュニオール・エルドストルもラオス戦を欠場しましたが、ベトナム戦も回復不十分で出場不可と報道されており、グループステージ最強の相手との試合は18名の選手しか使えない状況になりました。

これを受けてのサイフディンFAM事務局長の代替選手申請発言となるのですが、新型コロナ禍で開催される国際大会ににも関わらず、与えられている予備登録枠いっぱいを使わなかったFAMの明らかなミスであり、パク監督だけでなく、同等の条件で戦う他国の代表チームからも賛同は得られないでしょう。

マレーシア代表の今大会の結果にかかわらず、この危機管理意識不足による不手際はFAM内での責任問題となることが予想されますが、「結局は誰も責任を取らない」というマレーシア的決着が既に見えますけどね。

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