ボラセパマレーシアJP

JDTがアセアン枠で2名のスペイン系フィリピン人選手の加入を発表し外国籍選手は合計9名に

JDTがアセアン枠で2名のスペイン系フィリピン人選手の加入を発表

Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTは、公式FacebookでDFカルリ・デ・ムルガとFWビエンベニード・マラニョン両選手の加入を発表しています。いずれもスペイン生まれの両選手ですが、フィリピン代表でプレーしており、アセアン(東南アジア)枠の外国籍選手として加入するようです。33歳のデ・ムルガ選手は、昨季は同じスーパーリーグのトレンガヌで主将を務め、リーグ戦とマレーシアカップ合わせて22試合に出場しています。一方の35歳のマラニョン選手はフィリピン1部リーグのユナイテッドシティFCから加入しますが、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップにはフィリピン代表として出場しています。

現在はスーパーリーグ7連覇中のJDTですが、昨季のマレーシアカップではKLシティに決勝で敗れて2季連続の国内2冠を逃した直後から、大幅な選手の入れ替えを敢行し、クラブ史上最多ゴール記録を持つゴンザロ・カブレラや将来のインドネシア代表候補のシャーリアン・アビマニュなどがチームを離れた一方で、マレーシア代表の右サイドバック、シャーミ・サファリを同じスーパーリーグのスランゴールから、またセリエAのウディネーゼからはストライカーのフェルナンド・フォレスティエリを獲得しています。デ・ムルガ、マラニョン両選手との契約を発表したFacebookの投稿では、Mリーグやマレーシアカップに加え、3年ぶりに再開するマレーシアFAカップや4季連続出場となるACLグループステージなどで年間50試合程度が予想されていることから、選手の起用はローテーションで行うことを前提とした大所帯になっていることも発表されています。

******

マレーシア国内の新聞では「JDTが3名のスペイン人選手獲得」といった見出しが出ていたものの、蓋を開けてみればスペイン出身ではあるものの、スペイン人選手ではなく、スペイン系選手だったということでした。3番目となるもう1人のスペイン人選手は、来週からアラブ首長国連邦のドバイで行われるJDTのプレシーズン合宿でチームに合流すると発表されています。

ところで今回契約が発表されたデ・ムルガ、マラニョン両選手や新加入のフォレスティエリ選手の他に、JDTには昨季のリーグ戦とカップ戦合わせて30ゴールを挙げているFWベルグソン・ダ・シルヴァやMFレアンドロ・ヴァレスケス、さらにはいずれもDFのマウリシオやシェーン・ロウリーが在籍しています。またセカンドチームのJDT IIには昨季の2部プレミアリーグ得点王のフェルナンド・ロドリゲスも残留しており、ドバイで合流予定のスペイン人選手を合わせると既に9名の外国籍選手が在籍することになります。Mリーグ1部スーパーリーグはアセアン枠とアジア枠それぞれ1名を含む5名の外国籍選手登録が可能ですが、当然ながらこの9名全員が登録できるわけではありません。ではどうするのか。JDTはトップチームでプレーする5名以外は、Mリーグ2部プレミアリーグに所属するセカンドチームのJDT IIの選手として登録し、ケガや体調不良、あるいはローテーションなどの必要があれば、いつでも好きなときにトップチームとセカンドチームの外国籍選手を入れ替えることができます。アジア枠1名を含む4名までの外国籍選手を登録できるプレミアリーグにセカンドチームを持つトレンガヌやスランゴールも同様のことを行なっていますが、ボラセパマレーシアJP的にはこの仕組み自体が果たして公正なのかどうかが疑問です。スーパーリーグのクラブは資金を投じてセカンドチームを作り、そのセカンドチームをプレミアリーグでプレーさせれば同じことができるのだから、それで良いという考えもあるでしょうが、外国籍選手枠が決まっている中でその入れ替えができるチームとできないチームが同じ土俵で戦うことに対して、そもそもこの国のサッカーファンから異論が出てこないのは、この仕組みはこの国では問題なく受け入れられているということかも知れません。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ