ボラセパマレーシアJP

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第8節結果とハイライト映像

Mリーグ1部スーパーリーグは5月10日から11日まで第8節の4試合が行われています。前節同様、現在ベトナムで開催中の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場しているマレーシアU23代表に多くの選手が招集されているスランゴールとトレンガヌは、今節から第9節までの試合が6月以降に延期されています。
(各試合のハイライト映像は、MFLの公式YouTubeチャンネルより

2022年5月10日(火)@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 3-2 ペナン
⚽️KLシティ:J・パルティバン(43分)、ロメル・モラレス(55分)、ザフリ・ヤハヤ(78分)
⚽️ペナン:エンドリック(80分PK)、ヒラル・エル=ヘルウェ(87分)
?KLシティ(2):ザフリ・ヤハヤ、ジャンカルロ・ガリフオッコ
?ペナン(1):ラフィウディン・ロディン
MOM:ザフリ・ヤハヤ(KLシティ)
3-0とリードし、楽勝かと思われましたが、最後は1点差まで詰め寄られた今日の試合は、不安定な今季のKLシティを象徴するような試合展開でした。
一方のペナンは、トマス・トゥルチャ監督更迭後の最初の試合でしたが、マンズール・アズウィラ監督代行は今季初勝利を飾れないどころか、降格圏内のさらに深いところまで沈んでしまいました。

2022年5月10日(火)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 3-3 クダ
⚽️PJシティ:ダレン・ロック(29分)、マハリ・ジャスリ(77分)、カイリル・ムハイミーン(83分)
⚽️クダ:ロナルド・ンガ3(22分、32分、65分)
?PJシティ(3):ラフィ・ナグールガニ、ダレン・ロック、サラモン・ラジ
?クダ(1):デシ・マルセル
MOM:ロナルド・ンガ(クダ)

 代表FWを争うダレン・ロック(PJシティ)とシャフィク・アフマド(クダ)のマッチアップということで、この試合はスタジムで観戦しました。
過去3試合でそれぞれ8失点のクダと7失点のPJシティの対戦は、大味な試合が予想されましたが、20分にロナルド・ンガのゴールでクダが先制すると、すかさず29分にはダレン・ロックが同点ゴールを決めるなど派手な試合になりそうな予感は高まります。
この試合に勝てば単独首位に浮上するクダは、32分、65分とゴールを決めたロナルド・ンガがハットトリックを達成し、流石にこのまま逃げ切るかと思いきや、PJシティのP・マニアム監督の選手起用が当たりました。いずれも途中出場のマハリ・ジャスリとカイリル・ムハイミーンがそれぞれゴールを決め、あわや3連敗というところをベテラン2人の活躍でPJシティが引き分けに持ち込んでいます。
クダは逆転負けした前節のマラッカ・ユナイテッド戦同様、75分以降に2失点と終盤の失点が響いて痛い引き分けとなりました。なおクダの17失点(8試合)はリーグ最多で、昨季の28失点(22試合)を考えると、DF陣立て直しが急務です。一方のPJシティはベテラン2人の活躍で
個人的に注目したダレン・ロックは、チームの先制点は決めたものの、試合では孤立する場面が多かったこともあり、見せ場はほとんどなく、運動量が持ち味のシャフィク・アフマドも太ももを痛めているのか動きが悪く、また試合中は足を引き摺る場面もあり、結局、途中交代となっています。

2022年5月11日(水)@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
スリ・パハン 1-2 サラワク・ユナイテッド
⚽️スリ・パハン:マヌエル・イダルゴ(45+3分)
⚽️サラワク:ヌル・シャミー・イズアン(55分)、ウチェ・アグバ(73分PK)
?サラワク(3):アスリ・チュチュ、ボリス・コック、ノーマン・アンクン
?スリ・パハン(0)
?スリ・パハン(1):ムスリム・アフマド
MOM:マヌエル・イダルゴ(スリ・パハン)

 前節でKLシティに勝利し、今節は今季1勝のサラワク・ユナイテッドをホームに迎えたスリ・パハンは、好調を維持したいところでしたが、40分にムスリム・アフマドが一発レッドで退場となり、苦しい展開となりました。それでもMFマヌエル・イダルゴが好機を何度も演出しますが、得点には至りません。そんな中、前半終了間際に自分でシュートを放ってゴールを決めたマヌエル・イダルゴが文字通り、孤軍奮闘し、スリ・パハンが1-0とリードして前半を終えます。
後半に入るとギアを上げたサラワク・ユナイテッドがゴールに迫り、ついに55分にはヌル・シャミー・イズアンがスリ・パハンのディフェンダーをかわしてゴールを決め同点。さらに73分にはスリ・パハンのアシャル・アル=アフィズが自陣ペナルティエリア内で、サラワク・ユナイテッドのゴピナタン・ラマチャンドラを倒してPKを献上。これをウチェ・アグバが決めて、サラワク・ユナイテッドが逆転します。サラワク・ユナイテッドはその後も何度か追加点チャンスがあったものの、それを生かせず。最小得点差での勝利で今季2勝目を挙げています。

2022年5月11日(水)@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 0-1 JDT
⚽️JDT:フェルナンド・フォレスティエリ(90+10分)
?ヌグリスンビラン(3):ザクアン・アドハ、シャイハン・ハズミ、クザイミ・ピー
?JDT(4):マシュー・デイヴィーズ、ナタニエル・シオ、シャールル・サアド、アフィク・ファザイル
?ヌグリスンビラン:マテウス・アウヴェス*試合終了後に退場
MOM:シャイハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)

 今季開幕前に、第8節のこのカードが首位攻防戦になるとは誰も予想しなかったでしょう。リーグ8連覇中の王者JDTは、ACL出場のため、今季はまだ4試合しかしていませんが、4戦全勝で勝点12を挙げ、一方のヌグリスンビランは1部昇格初年度ながら、ここまでの6試合を4勝2敗と負けなしの快進撃でやはり勝点14を挙げて首位を走っています。リーグ首位のヌグリスンビランが2位JDTをホームに迎えたこの試合は、前半戦の大一番となりました。
この重要な試合で、DF陣の要でもありチーム得点王でもあるDFエラルド・グロンをケガで欠くヌグリスンビランのK・デヴァン監督がこの試合で選択したのは、ホームにもかかわらず選手を自陣に張り付ける超守備的布陣でした。しかし、この戦術が功を奏し、またこの試合のMOMにも選ばれているヌグリスンビランGKシャイハン・ハズミの好セーブもあり、JDTは得点を挙げることができません。
さらにはヌグリスンビランのあからさまな時間稼ぎの行為も見られる中、試合はこのまま引き分けかと思われましたが、ロスタイムが10分と異例の長さで表示されました。そしてテレビの画面では明らかに10分以上のロスタイムがとられ、スタジアムもざわつき始めたその時でした。ラヴェル・コービン=オンのスローインを受けたフェルナンド・フォレスティエリがペナルティエリアの外から放ったシュートがシャイハン・ハズミの伸ばした指先をかすめてゴール!文字通り最後のワンプレーでJDTが首位攻防戦を制しています。
なお、この試合の終了後、主審に激しく抗議したヌグリスンビランのマテウス・アウヴェスがレッドカードを出されています。
大きな試合中断がなかったにもかかわらず10分のロスタイムが取られてことは異例で、マテウス・アウヴェスはこれについて激しく抗議したようですが、上でも書いたようにヌグリスンビランは、試合中、明らかな遅延行為を繰り返しており、そこは自業自得では、という印象でした。

今節予定されていたマラッカ・ユナイテッド対スランゴール、サバ対トレンガヌの試合は6月下旬に延期されています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第8節終了時)

チーム 勝点
1 JDT 5 5 0 0 13 1 12 15
2 NSE 7 4 2 1 11 7 4 13
3 KDA 8 4 0 4 13 17 -4 13
4 SAB 6 4 0 2 9 4 5 12
5 KLC 8 3 1 4 14 15 -1 10
6 SEL 5 2 2 1 12 9 3 8
7 PJC 7 2 2 3 11 13 -2 8
8 PHG 7 2 1 4 9 11 -2 7
9 MLU 6 2 1 3 6 8 -2 7
10 SWU 8 2 1 5 7 15 -8 7
11 TRG 4 2 0 2 5 5 0 6
12 PEN 7 0 3 4 7 12 -5 3
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRG-トレンガヌ、PHG-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MLU-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第8節終了時)

ゴール数 選手名 所属
1 7 ベルグソン・ダ・シルヴァ JDT
7 ロナルド・ンガ KDA
3 6 カイオン SEL
4 5 エラルド・グロン NSE
5 ダレン・ロック PJC
6 4 フェルナンド・フォレスティエリ JDT
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRG-トレンガヌ、PHG-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MLU-マラッカ・ユナイテッド
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ