フットボールカンボジア

カンボジアのサッカーを理解する。FFCとCNCC。

 カンボジアサッカーを理解するには、まず二つの組織とその役割を理解する必要がある。カンボジアでサッカーを統括している団体は二つ。カンボジアサッカー協会(FFC)そしてCambodian National Competition Committee(CNCC)だ。この2つの組織はJFAとJリーグの関係に相当し、FFCが草の根レベルの育成から代表、ハード、ソフト両面のインフラ整備をするのに対して、CNCCはプロリーグとリーグに所属するクラブチームの統括を行なっている。

 FFCは1933年に組織され、1954年にはFIFA、1957年にはAFC、1998年にはAFFにそれぞれ加盟しており、2019年現在は国家憲兵隊総司令官のサオ・ソカー将軍が会長を務めている。

  FFCはこれまで、長きにわたってカンボジアプレミアリーグとフンセンカップの国内二大大会の統括組織としての役割も担ってきた。しかし、国内大会の運営に加えて、近年ASEAN地域全体でサッカーへの取り組みが活発になり、育成年代の全国的な強化や代表チーム運営のほか、女子サッカーの普及と技術レベル向上、フットサルの普及、関連のマーケティング業務など協会の業務内容が拡大。限りあるリソースを集中するため、2016年シーズン終了後に国内大会の運営組織としてCNCCを設置することが発表された。

  このように2017年シーズンから国内二大大会の運営を移管されたCNCCは、組織図上はFFCの下に位置しているが、国内大会の運営に関しては独立した体制を取っている。チェアマンには、強豪クラブとして広く知られるプリアカンリッチ・スバイリエンFCのオーナーを務めるディ・ヴィチア氏が就任し、2019年現在もその座に就いている。

 独立した運営を行うために、CNCCには大会の運運営に必要な部署が一通り組織されているが、中でも広報を担うメディア部門は組織の立ち上げ当時からリソースを集中した。これはサッカーへの注目と人気を持続させるためであり、FFCの運営下で十分とは言えなかった各チームの情報などにも力を注いだ。情報の発信に関しては、ホームページによる情報の発信とカンボジアで近年急速に普及したSNS、特にフェイスブックの利用に力を入れたほか、独自のスマートフォンアプリを用意した。この継続的なチーム情報の発信は、チーム間での情報発信格差を是正し、サポーターから継続的に注目を集めることに大きく貢献し、サッカーはカンボジアを代表するスポーツへと成長を遂げた。

 しかし、2017年シーズン以降、組織が別れたこと解決しなければならない課題も少なからず存在している。両組織間でのスケジュール管理や、公式記録の受け渡しなどだ。特にスケジュール管理に関しては代表運営側と、リーグ運営側で互いに不満を募らせているような場面も見受けられる。カンボジアのサッカーが今後スムースに持続的な発展を遂げるためには、両組織が足並みをそろえ同じ目標に向かって歩んでいくことが必要かもしれない。

 

関連リンク一覧

カンボジアサッカー協会(FFC)

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Cambodian National Competition Committee(CNCC)

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