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「ファジラボ」寺田弘幸

【無料】【サッカーライターへの道】vol.6『秋田戦のこと。レンタル組のこと。』

サッカーライターを目指す大学生の難波拓未が寺田弘幸に質問していくシンプルな企画『サッカーライターへの道』。

試合のポイントや戦術等の細かいこともOK。選手のプレーについても寺田の見解を述べます。寺田にわからないことは監督と選手に直接聞いてきます。

もし読者の皆さまの中にも寺田に聞きたいことがありましたら、下記にフォームを設けておりますので、そちらにご入力ください。


vol.6 『秋田戦のこと。レンタル組のこと。』

難波 「秋田に勝利して今シーズン初の連勝となりました。その秋田戦から質問させてください。ファジアーノが徹底してロングボールを蹴る秋田の迫力のある攻撃に屈しなかった要因はどこにあると思いますか?」

寺田 「まずは背後に蹴られて追いかける形を作らせないように少しラインを低めに構えていた。それでDFが競り合う場面を多くして、しっかり競り合ってからこぼれ球を拾うことを徹底できた。やることがはっきりしていたから選手たちは集中力を高く保てていたと思う。すごく良かったのが、スローインに対する集中力。ロングスローも含めて、スローインでジリジリと前に来るのは嫌だったけど、隙を見せることなく対応できていたと思う」

難波SHの選手の守備意識も非常に高く感じました。練習でSHの守備に対するトレーニングはありましたか?」

寺田 「練習で具体的に取り組んでいたことはそこまでなかったと思うけど、上門君の意識はかなり高かったと思う。彼はかなり球際で戦ってくれていた」

難波 「ファウルをもらうシーンが目立ちました」

寺田 「チーム全体で球際を戦ってルーズボール争いを制すという共通意識を持って戦えていた証拠だと思う」

難波 「では、攻撃について。秋田戦はサイドの奥を取る攻撃がメインで、バイタルエリアへの侵入はほとんどありませんでした。セットプレーから得点できたから良かったですが、引き分けに終わってもおかしくはない内容だった思います。攻撃の構築の部分での印象はいかがでしたか?」

寺田 「そういうところはあると思う。危険な所に入ったボールはそんなになく、どうしても、陣地を押し返すような狙いのボールの送り込み方が多かったよね。攻撃を自分たちで組み立てて構築していくことよりも、相手の背後やサイドのスペースにボールを送り込んで、そこで戦うことに徹底したけど、徹底できたことが良かったと思う。後半に5バックになった後、攻め込まれたシーンがあったけど、その後に押し返すことができた。もし変に足元でつなごうとしていたら、秋田の圧力を押し返すのは難しかったと思う。

もちろん、秋田のプレスをはがして、パスをつないで攻撃を組み立て、相手の背後にスルーパスを入れていく、PA内に何人も入っていく、という形ができればいいけど、秋田戦は現実的に今の自分たちのやれることをやり切れた試合だったと思う」

難波 「徳元悠平選手のプレスキックが得点につながりましたが、秋田戦はキッカーに関係なくセットプレーでニアを狙っていることが多かったです。セットプレーにはどのような意図があったのでしょうか?』

寺田 「チームとしてニアを狙っていたんだと思うし、キッカーも変えながらいろんな質のボールを入れていきたいっていう意図もあったと思う。セットプレーで点を取れていることは本当に良いことだけど、僕はもっと危機感も持つべきだと思っている。『セットプレーで取れているから良いじゃん』っていうのは良くない考え方。シーズンを通してセットプレーですごくたくさんの点が取れたとしてもチーム総得点の半分もいかないだろうから、半分以上はオープンプレーから取らないといけないってこと。複数得点を奪うために武器をもっと増やしていかないと」

難波 「秋田戦のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を挙げるとしたら誰ですか?」

寺田 「井上君かな。身体を張ってよく戦ってくれていた」

難波 「僕も井上選手だと思います。キックオフ直後の秋田のロングボールに対して、井上選手が先に飛んで弾き返すシーンが23本と続いてありました。もし、あそこで秋田の選手にやらせていたら、秋田を勢いづけてしまっていたかもしれません」

寺田 「彼は競り合いが好きだよね。そんなに高さがあるわけではないけど、気持ちも強いし、落下点に入るのもうまい。ただ、最後に秋田がパワープレーを仕掛けてロングボールが入ってきたとき、増田と競り合ったところでファウルになったんだけど、ゴールネットが揺れたシーンがあったよね。あれはファウルだったと思うけど、どんな形でもいいから、ファウルを受けながらでもボールに触ってバウンドさせない強さを身に付けていってほしいなと思う』

 

難波 「では、読者の方からいただいた質問です。わいでんさん、ありがとうございます。『大卒2人が想像以上の活躍を見せている中で、J1からのレンタル組はなかなか期待されたような活躍ができていません。ファジアーノのやり方やカラーにまだフィットしていないのでしょうか? ポテンシャルはあると思うので辛抱強く使い続けるしかないのでしょうか?』という質問です』

寺田 「今年のレンタル組は、宮崎幾笑君、川本君、梅田君で、確かに期待されたような活躍は今のところできていないと思う。ただ、彼らは昨年にほとんど公式戦に出場できていない。梅田君は前半戦に出場機会を勝ち取っていたけど、試合に出ていない期間が長くあった後に、新しいチームに来てすぐに結果を出すのは簡単なことじゃないよ。矢島(慎也)君も最初から大活躍していたわけではないし、レンタルで所属して大活躍した選手はまず川又(堅碁)君が思い浮かぶけど、彼も最初の1カ月は苦しんでいたからね。逆に、レンタルとか完全移籍とかは関係なく、移籍する前年に所属していたチームで試合に出ている選手、昨年だったら上門君や徳元君、白井君たち。今年だったら井上君は、開幕からポジションを勝ち取って活躍できている。昨年はそれまで出場機会の少なかったポープ君がレンタルで加入して開幕からポジションをつかみ取った。そういう例もあるけど、カテゴリーに関わらず前年にどれだけの試合に出て活躍しているか、は大事な味方になるんじゃないかなと思う。

もちろん、彼らがファジアーノのやり方やカラーにまだフィットしていないっていうのもある。それを解決していくには時間も必要だけど、僕は宮崎君や川本君がまだまだトップフォームではないという要素の方が強いかなと思う。たとえば、今の川本君はシュートを打てるチャンスのときに焦ってシュートを打っている印象があるけど、彼ならDFと駆け引きをし、シュートフェイントをしてわざと相手の股を開けさせ、そこにシュートを打って決めちゃうみたいなプレーをできると思うけど、まだそういう余裕を持てていないように感じる。チームのやり方もあるけど、彼らが自分の力をまだまだ出し切れていないと思うし、彼らの力を引き出すためには実戦経験が絶対に必要。だから、言われているように辛抱強く起用し続けていくことは大切だと思う」

難波 「宮崎選手も川本選手も、ボールを持って勝負したいタイプだと思っています。ファジアーノはプレスをかけるなど守備の時間が多いので、良さを出しきれていないのかなとも感じます」

寺田 「そういう部分も間違いなくあるし、彼らはパスをもらって勝負していくタイプのアタッカーだから、良いボールが入らないとなかなか力を発揮することが難しい部分もある。J1のチームだと入ってくるボールの質が高いから、自分の特徴も出しやすい。たとえば、ワンツーをするにしてもリターンパスの質が高いからね。

新しい環境の中で自分の力を出していくためには、新しいチームの攻守のプレー原則を理解し、新しいチームメイトとも連係を合わせていかないといけない。いろんなことにアジャストしていくための時間が必要だけど、プロ選手にとってすぐに適応することはすごく大事なこと。早く適応して結果を出すことが求められるのがプロの世界だから、早く適応して結果を出していってほしい。今年のファジアーノが躍進していくためには彼らの力が絶対に必要になるから」

 

〈 了 〉

 

次回は大宮戦後を予定しています。
皆さまからの質問をお待ちしています。

難波拓未

岡山市に生まれて小1のときにサッカーを始めた少年は、岡山市の小中高に進学してボールを蹴り続けた。ファジアーノの選手たちのプレーを真似しながらプロサッカー選手を夢見て青春時代を過ごした難波くんは今、大学生になってサッカーライターになることを目指して活動を続けている。

note 『たくみ/大学生サッカーライター』
Twitter  @Soccer_Writer


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