【サッカー人気4位】【J激論】前田大然の”飛び立ち”と”マ…

「ファジラボ」寺田弘幸

【無料】『前向きにタフに』【2021 J2 第15節 長崎戦レビュー】

観客のいないスタジアムにタイムアップのホイッスルが鳴り響いたとき、スコア以上の敗北感を覚えました。1失点したことも残念でしたけど、それ以上に残念だったのは得点を奪えなかったことで、さらに残念だったことは得点を奪えない焦燥感がピッチの上に表れてきたことでした。

(寺田弘幸)

攻撃の問題点

今季7度目の無得点試合となった長崎戦は、前半からパワーをもってゴールへ向かっていくことができず、37分に失点して追い掛ける状況で迎えた後半も攻撃のパワーは上がっていかなかった。そして、ピッチの上で見られたのは選手たちが苛立ちを募らせて言い合う場面。チームが1つになれていないのだから、パワーが生まれないのも当然に思えた90分間だった。

なぜ、こうなってしまったのか。問題の根源はかなり深いところにあるように感じる。

金山隼樹は「なかなか点が入らないんだったらシュートの本数を増やさないといけないと思う」と言い、「2本3本打って入らないんだったら、10本20本を打っていくチャレンジの数を増やさないといけないと思うし、シュートを打っていい雰囲気だったりチャレンジしていい雰囲気を作っていけば、自然と点も入ると思う」と続けた。

その通りだと思う。野球の世界でよく『バットを振らないとヒットは打てない』というような表現をするけど、それはサッカーの世界でも当てはまる。シュートを打たないとゴールは奪えないんだ。アクションを起こしていくことでしか状況は変えられないという意味でも、選手一人ひとりが積極的なマインドを持ってピッチに立つことが必要不可欠だ。

ただ、長崎戦でファジアーノのアタッカーがバットを振らなかったことが問題だったのだろうか。僕はそもそもバッドを振る打席が回ってきていなかったように感じた。野球の場合は順番に打席が回ってくるけども、サッカーの場合はそうはいかない。1回もシュートチャンス回ってこないことがあるのがサッカーだ。

上門知樹は「今日はFWがすごい孤立する場面が多くて、FWに入った瞬間に真ん中の選手や僕たちサイドハーフが前向きに関わらないといけないんですけど、距離感が試合を通して遠かったというのはありました」と振り返っている。

攻撃の構造にも大きな問題を抱えていると捉えた方がいい。バックパスの多さに攻撃が機能していないことが表れていたように思うし、選手たちもどうすればいいかわからないから感情的になってしまったのだと思う。

前向きにタフに

まずは選手それぞれがシンプルに考えていくことが必要だと思う。サッカーにおいては問題をすべて解決することは不可能だけど、やるべきことの優先順位をはっきりとさせることは可能だし、少々の問題を抱えていたとしても選手が同じ方向を向いて力を発揮していけば、チームとして大きなパワーを生み出せるところがサッカーの魅力でもある。

今の苦境を乗り越えていくためには、全員で愚直にやり続けていくタフさと、チームの問題に一人ひとりが建設的に前向きに取り組んでいくマインドが必要になる。

「どんな状況であってもチームのために前向きにタフにやることがプラスの方向に働くことは間違いないこと」

有馬賢二監督は就任してからずっと言い続けているけど、今一度このことをみんなで確認して次節に向かっていってもらいたい。

じりじりと迫る降格圏

下なんて見ず、上だけを見て戦っていくべき。
ブレていたら高みには到達できない。覚悟を決めて貫くべき。
現実的に勝点を1つでも積み上げる確率の高い戦い方にシフトすべき。

いろんな意見があるだろうけど、まずは置かれている状況をしっかり把握しないといけない。

現実として、降格圏が近づいてきている。19位の群馬とは勝点4差で、6月に上位陣との対戦ばかりが控えていることも考えると、予断を許さない状況になってきた。

1試合でも早く勝利を手にしたい状況だが、戦い方を選べるほどの選択肢がないというのも、また現実である。

今大事なことは、選手が前向きに取り組める方向性を示すこととタフに戦い抜ける選手を選んでいくことだと思う。

〈 了 〉

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