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「ファジラボ」寺田弘幸

【無料】『先制するために セットプレーを磨きたい』【2021 J2 第21節 甲府戦レビュー】

試合のポイントはどっちが先制点を決めるかだったと思います。ファジアーノにもチャンスがあり、甲府にもチャンスがあった中、32分にFKから甲府が先制点を奪取しました。
そこから追い上げて逆転に持っていく試合を見せてほしかったし、その可能性のある攻撃を見せていたと思いますけど、残念ながら野津田岳人の蹴ったFKが今節の勝敗を分けることになりました。

(寺田弘幸)

先制するために

力がとても拮抗しているJ2において、先制点はとても重要だ。ここまで最も多くの試合で先制しているのが磐田、京都、琉球、町田の14試合で、次に多いのが新潟、甲府、山形の13試合。先制した試合の多さと順位表は密接に関わっており、J2で上位にランクするには先制点を奪う力が欠かせない。

ファジアーノはここまで21試合を戦い終え、8試合で先制点を奪取している。そして、その8試合の戦績は7勝1敗。9割近い確率で勝利を手繰り寄せている。と言うか、先制できなかった13試合の戦績は4分9敗だから、先制しないと勝てないことの方を重く受け止めた方がいいのか。いずれにしても、先制点を奪うか奪われるかはファジアーノにとって勝ち負けと等しいことだ。

ということを頭に入れて甲府戦を振り返っていく。試合の立ち上がりからファジアーノのペースだった。新潟戦と琉球戦のスタメンに戻ったチームは良い距離感で攻守を展開していた。内容的に相手を上回っていたと言ってもいい試合だったからこそ、先制できなかったことが本当に悔やまれてならない。

「まずはゴールに向かって行く形とボックス内に入って行く形ができて、前半の自分たちの時間帯があったときに1個取り切ることが大切だった」と有馬賢二監督もすごく悔しそうに話していたけど、良い時間帯に取り切らないと自分たちが危険な状況に陥っていくことをもっとみんなが理解すべきだろう。

試合の流れは変わっていく。一方的に攻め続けられるほどの力の差はどのチームにもない。取らないと、ピンチが来る。我慢強く戦えば、チャンスが来る。そのせめぎ合いがずっと続いているんだから、攻撃陣がチャンスを逸したら、守備陣はより集中しないといけない。守備陣が我慢強く戦いながら、攻撃陣が虎視眈々とチャンスを狙っていないといけない。

攻撃陣がチャンスを仕留められなかったことが悪いのか。我慢できなかった守備陣が悪いのか。僕はどちらも悪かったと思う。

今節を甲府側の視点から見れば、我慢強く耐えて先制に成功したと胸を張って言える試合展開だ。琉球戦で勝利したファジアーノのように、相手のペースでも慌てることなく試合を進めていく中で徐々にチャンスを作り出していき、セットプレーでゴールをこじ開けている。

琉球戦はファジアーノが勝つべくして勝った試合だったと思うから、今節はファジアーノが負けるべくして負けた試合だったと受け止めるしかない。

セットプレーを磨きたい

野津田のことを昔から取材してきた。練習場に遅くまで残って蹴り続けている彼をずっと見てきたから、嫌だな~ と思いながらFKのシーンを見ていたら、決まってしまった。もしかしたら、梅田透吾のポジショニングや駆け引きの部分で劣っていたところがあったかもしれないけど、あの距離から壁を越えたボールがあのスピードで飛んできたら、GKにできることは僅かしかない。野津田のキックを褒めるべきだろう。

セットプレーの大事さをあらためて感じた試合になったけど、攻撃の面においてセッとプレーは極めて重要だ。さっき、今季は8試合で先制点を奪ってきたと書いたけど、8つの先制点のうちセットプレーから奪い取ったものが5つある。

開幕戦で宮崎幾笑がPKを決め、第5節・山形戦では幾笑のCKが弾かれたボールを上門知樹がボレーで決めた。逆転負けしてしまった第8節・水戸戦は白井永地のCKを下口稚葉が押し込み、第11節・秋田戦は徳元悠平のFKを山本大貴が合わせ、3-1で勝った第16節の松本戦は白井のCKを喜山が決めている。

セットプレーは均衡を打ち破る極めて重要なプレー。後半戦はもっと磨いていきたい。

VAR判定があれば・・・

ここから愚痴になるので読み飛ばしてください。

「完全にシュートチャンスのところを阻害されたかなっていうのが1個あった」と、有馬監督が判定に言及せざるを得なかった気持ちはよくわかる。42分のシーンのことだろう。白井がPA内へ入れた浮き球のパスに相手の背後を取って幾笑が走り込んだ。DFは明らかに手で引っ張っていったが、ホイッスルは鳴らなかった。なんで主審はあの手が見えなかったのか。副審には必ず見えていたはずだ。PKが宣告されなかったのは、明らかに誤審である。

そもそも先制点につながるFKはファウルがあったのか。白井が手で引っ張ったという判定だったのならば、尚更41分の判定が納得いかない。もしJ1で採用されているVAR判定があれば、2つのシーンとも検証されていたシーンだろう。

言っても仕方ないことはわかっている。もしJ2でもVAR判定があれば、新潟戦のファジアーノの先制点はノーゴールになっていたかもしれない。

お互いさま。

そうなのかもしれないけど、僕は納得感の高まるVAR判定の方が、有利にも不利にもどちらに転ぼうとも、好きだ。ぜひJ2でも早期の導入を望む。

〈 了 〉

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