【サッカー人気3位】【J2箱推し宣言!終盤戦スペシャル】昇…

「ファジラボ」寺田弘幸

【無料】『改善すべき点は、向上すべき点は、何なのか』【2021 J2第23節 群馬戦レビュー】

後半は大半の時間を敵陣で進めながら、87分に失点して敗れる結末が待っていようとは。あまりにも残念な結末でしたが、この結末もサッカーの神様が与えた試練だと思うことにしよう。
だって、試練は乗り越えられる者にしか与えられないものだから。

(寺田弘幸)

改善すべき点は、向上すべき点は、何なのか

何で得点が奪えなかったんだろうか? どうやったら得点が奪えるようになるんだろうか? ずっとこの問いと向き合っているようなシーズンになっている。後半戦最初のホームゲームも、この難解な問題の解は見つけられなかった。

シティライトスタジアムに群馬を迎えた今節は、後半に入ると相手への圧力を強めたファジアーノが完全に主導権を握った。切り替えを速くして群馬に攻撃の時間を与えず、敵陣深くまで入り込むことができていたし、PAへボールを入れていく回数も多かった。しかし、決定的なチャンスを多く生み出せたわけではない。紙一重のシーンが何度あったか。ほとんどない。この事実をまずは受け止めないといけない。

56分にセットプレーのこぼれ球にみんなが集中していた中で河野諒祐が放ったミドルシュートは素晴らしかった。この場面は止めたGKを褒めるべきだろう。69分に上門知樹が失ったボールをすぐに奪い返して作ったビッグチャンスも、抜け出した齊藤に素早く寄せてシュートコースを狭めたGKの好セーブによって阻まれた。サッカーは相対的なスポーツだから、相手が素晴らしかったことも受け入れないといけない。

ファジアーノの攻撃のバリエーションやクオリティでは、群馬のゴールをこじ開けられなかった。今節がそういう試合だったことを理解したうえで、試合後に2人の選手が語った攻撃の改善すべき点、向上すべき点を考えていこうと思う。

3試合ぶりに先発した木村太哉は「もっと早く仕留められるところで待ったような場面があって、そこからまた崩しに行く局面が多かったかなと感じます。もっと早く仕留めるところと無理をしないところの使い分けがうまくできれば、得点のチャンスが増えるのかなと思います」と話した。

相手の守備が整っていない状況のときに速く攻め入ることも重要。木村が言いたかったのは、そういうことだろう。

69分のチャンスが、まさにそういう攻撃だった。群馬がボールを奪って攻めに出ていこうとしたところで上門が奪い返したため、群馬の守備陣形は整っていなかった。このとき、奪った上門は前へボールを運び、齊藤もすぐPAに走り込んでいる。速く攻めることができたから相手の背後を取ってシュートまで持ち込めたのだ。

ショートカウンターは相手の守備が整っていない状況で攻め込めるとても効果的な攻撃なので、もっと切り替えのスピードとプレー強度を上げていきたい。

ショートカウンターのとき以外で相手の守備が整っていない状況のときは、ファジアーノの選手の距離感も整っていないことが多い。速く攻めればミスが起きやすくなってボールを失う確率も上がる。誰かが勇気をもってスピードを上げる決断をしないといけないので、その決断をチームとして推奨していくべきだろう。

木村が「使い分け」のところを強調していたように、大切なのはメリハリだ。速く攻めるばかりでは、どうしても間延びして相手に付け入る隙を与えてしまう。ボールを保持する時間も大事だけど、もっと個人個人が速く攻めるためのトライをしていってもらいたい。

今季初先発したパウリーニョは「2対2や3対3のチャンスを作れたときに、もうちょっと冷静になること」と話した。

これはもう、言うに及ばないことかな。アタッキングエリアに入っても冷静でいられれば、適切な判断を下すことができてDFとGKを上回る技術も発揮することができるんだけど、それが簡単なことじゃない。相手DFは必死にプレッシャーをかけてくる。視野を奪われ、進路を妨害され、体勢を崩される。時間もスペースもどんどんなくなっていく中で、冷静でいることはとても難しい。

「冷静でいられれば決められるゴールもあった」

パウリーニョの言う通りである。しかし、それが難しいのがサッカーなんだ。

継続していく先に光があることを目指して

聞かなければいけないと思った。ホームで8敗目を喫したことについてを。

有馬賢二監督は沈痛な面持ちで応じてくれ、続けていくことを強調した。

「全員で下を向かずにゴールに向かっていきたい。熱をもって前向きにアグレッシブにゴールに向かっていくことを続けていくことが一番の近道だと思っています」

あらためて、強い芯を持っている指揮官だなと思った。どうすれば得点を奪えるようになるのか。その答えは1つではないけど、監督が信念をもって挑み続けなければ得点が増えることはないだろうし、選手も一丸となってゴールを目指していかなければ得点が増えることはないだろう。

少しの期間、頭と身体を休めた後は、また強い気持ちをもってゴールに向かい続けていってほしい。

〈 了 〉

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